【2024年版】太陽光発電投資とは? 将来性やデメリット、投資戦略を解説

太陽光発電投資とは
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「太陽光発電投資ってどれくらい儲かるの?」
「利回りはどれくらいになるの?」
「太陽光発電投資に将来性はあるの?」

太陽光発電投資について、上記のようなことに悩んでいませんか?投資に興味があり太陽光発電に目を付けたけれど、基礎知識やメリット・デメリットなど、具体的なことがよくわかっていない方も多いはずです。

この記事では、以下についてわかりやすく解説します。

そもそも太陽光発電投資とは?【2024年最新版】

太陽光発電用ソーラーパネル

一般的に投資対象としての「太陽光発電投資」とは、太陽光発電所を購入し、発電した電気を電力会社に売却してリターンを得る投資のことです。

まずは太陽光発電投資の基礎知識を紹介します。

住宅用太陽光・産業用太陽光の違い

太陽光発電は、主に以下の2種類に分類されます。

  • 住宅用太陽光
  • 産業用太陽光

上記のうち、一般的な太陽光発電投資に該当するのは「産業用太陽光」です。主に出力10kw(キロワット)以上の設備を用いて発電し、余剰売電と全量売電の2つを選択できます。

また産業用太陽光は投資だけでなく、災害時の企業電力の補填という側面があるのも特徴です。電力会社からの電力供給がストップしても、自社(自身)が所有する発電所から電力を供給できます。

一方「住宅用太陽光」は出力10kW(キロワット)未満の設備を用いて発電するのが特徴です。自宅の屋根・壁に設置して自己消費し、余った電力を余剰売電できます。もちろん余った電気を売電できますが、家庭用の自家電力、クリーンエネルギー普及、節約、停電対策の意味合いが強いと覚えておきましょう。

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太陽光発電所の普及の流れ

まず、日本における太陽光発電所の普及の流れを振り返ってみます。

太陽光発電所普及の大きな転換点として、2011年に東日本大震災が発生し、その災害による福島第一原子力発電所事故がきっかけになりました。

それまで日本のエネルギー政策は原子力発電に頼っている部分が大きく、災害による原子力発電所の停止の影響から、震災直後は計画停電が行われました。

国も国民もエネルギーを安定的に自給する大切さを思いしった瞬間でした。

FIT法の施行

地球温暖化対策の方向性もあり、FIT法(固定買取価格制度)が2011年制定、2012年施行されました。

FIT法とは

FIT法とは、太陽光発電を含め再生可能エネルギーで発電した電力を国が決めた価格で買い取るように、電力会社に適用された義務・制度です。

FIT法スタート初年度2012年度は、1kWhあたり40円で20年間全量買取するというルールでした。2023年度のFIT価格は入札制度で9.5円です。

この買取価格と期間は、投資対象として大変魅力的な市場価格であり、再生可能エネルギーを早期に普及させるには十分なインセンティブが働きました。

また当初は、設備投資を一括償却をする事ができ、投資回収を早めることができるインセンティブもありました。

太陽光発電所の建設は急速に進み、普及量は2.2GWから60GWとなりました

FIT法は、災害後に急いで制定したルールだった事もあり、太陽光発電所開発に関するトラブルや環境破壊があったこともニュースで知るとおりです。

太陽光発電所の普及に貢献したFIT法、FIT価格の下落もあり、FITを活用した太陽光発電所は非常に少なくなっているのが現状です。FIT価格が9.5円だと、新規に発電所を建設するのに採算が合わないということです。

※ 買取価格は産業用価格(10kWh以上)を基準に記載しています

では、これから太陽光投資をどのように考えれば良いのか、現状のマーケットと今後の見通しをいれて説明します。

太陽光発電投資は危険? 失敗のリスクとデメリット

投資のイメージ計算画像

太陽光発電投資のデメリットが気になる方は、以下のリスクを把握・理解していきましょう。

関連記事 太陽光発電投資の失敗事例

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① 自然災害リスク

自然災害により発電所の設備が被害を受け、破損することも考えられます。

昨今では、台風や洪水による大きな災害が起きています。自然災害は予期することもできません。

今夏の太陽電池発電設備の事故の特徴について|経済産業省
出典:今夏の太陽電池発電設備の事故の特徴について|経済産業省

太陽光発電投資においては、「自然災害補償」の保険への加入をおすすめします。

投資する前に地域エリアのハザードを必ず確認してください。

また、台風時に太陽光パネルが飛ばされないか気になっている方は、以下の記事をチェックしてみてください。耐えられる風速や台風対策を解説しています。

関連記事 太陽光パネルは台風で飛ばされる?

② 日照時間シミュレーションリスク

新設の太陽光発電所に投資する場合、業者がNEDO値等を使って発電量シミュレーションから投資リターンを計算します。

「NEDO」とは

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)とは、持続可能な社会の実現に必要な技術開発の推進を通じて、イノベーションを創出する、国立研究開発法人です。

「NEDO値」は、NEDOが発表している日本の日射量データベースから抽出した値を指します。

発電量シミュレーションは投資リターンに直結し、投資金額が決まる大変重要なポイントです。

業者からの提案については、必ず自分で納得するまで確認する必要があります。投資後に、日射量を増やすことは不可能だからです。

③ 施工業者リスク

太陽光発電所は少なくとも20年以上の事業です。

投資の大部分は発電所そのものの建設費です。

建設後の保証を担保するためにも、信用できる施工業者を選ぶ必要があります。

これはリパワリングのような商材交換の際も同です。

④ メンテナンスリスク

太陽光発電所はメンテナンスが重要です。

草刈りの際に、ケーブルが切断されたり、道路からの飛び石でパネルが破損することもあります。

隣接地の木が成長して影になっている可能性もあります。

太陽光発電投資はメンテナンスフリーというイメージがありますが、毎月の発電量チェックやメンテナンス会社の定期メンテナンスが大切です。

太陽光発電のメンテナンス費用については、以下の記事で詳しく解説しています。維持費の内訳や相場について知りたい人は参考にしてください。

関連記事 太陽光発電のメンテナンス費用(維持費)

⑤ 盗難リスク

太陽光発電では、盗難リスクに注意しなければなりません。

近年では、太陽光発電設備のパーツが盗難される事件が増えており、数億円もの損害が出ている事件が増えています。

盗難による被害事例

NHKが公表した情報によると、北関東全域で運営されている太陽光発電施設において、2023年の約4ヵ月間で2億7,000万円もの盗難被害が発生しました。送電用の動線ケーブルなど、現金化しやすい金属系の設備を中心に狙われています。

太陽光発電設備の盗難対策

盗難リスクを避けるためには、設備周辺の盗難対策が必要です。参考として太陽光発電協会が推奨する設備対策を以下にまとめました。

盗難対策
  • 露出配線をなくす・地下埋設管を活用する
  • フェンス・柵・鍵を設置する
  • 盗難以上検知器を設置する
  • 定期見回りを実施する
  • 損害保険に加入する

太陽光発電投資のメリット

太陽光発電投資には以下のようなメリットもあります。

① 安定したリターンを得られる

太陽光発電投資(FIT案件)の収益は電力会社との売電契約です。発電すれば電力会社がFIT価格で購入してくれる安心感は、太陽光発電投資の魅力だと言えます。

ちなみに太陽光発電における表面利回りは7~10%程度です。早ければ、10年程度で投資額を回収できるため、長期的な利益獲得を期待できるでしょう。

また不動産投資と比較した場合、太陽光発電投資には賃貸人が家賃を払わないリスクや空室リスクがありません。発電するだけ収益を生み出せることから、安定したリターンを得やすいのが魅力です。

太陽光発電投資の利回りについて詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。計算根拠付きの利回りや、損しない方法をまとめています。

関連記事 太陽光発電投資の利回り

② 融資を受けられる

太陽光発電投資はFIT制度(固定買取価格)と一定の太陽日射量に依存した、安定したリターンをシミュレーションすることが可能です。

FIT制度では買取期間が確定しているため、プロジェクト収支を計算することができます。

融資する側(銀行、政策金融公庫、信販会社)も不確定要素が少なく、安定した投資だと判断しているのです。

たとえば不動産投資の場合、「賃料の下落見通し・見込み」「空室リスク」「修繕積立」を加味して収支を計算する必要があります。

以上のように、太陽光発電投資の場合、金融機関から借入をして投資することが可能です。借入にレバレッジをかけられます。これは、投下資金に対するリターンを上げることになります。

③ カーボンニュートラルに貢献できる

再生可能エネルギーが普及すれば二酸化炭素(CO2)の排出を減らす、カーボンニュートラルにも貢献できます。

太陽光発電は、太陽の光エネルギーが太陽光パネル(シリコン半導体)に当たって電気(エネルギー)を発生させる仕組みです。

現在、グローバル企業ではアップルやAmazonも世界中で脱炭素経営を進めています。

現在の日本の状況として、代表的な企業が脱炭素経営のために、自社で太陽光発電所を建設したり再生可能エネルギーを購入しています。

太陽光発電なら、投資家として、投資を通じてカーボンニュートラルに貢献できます世の中に必要とされているものに対して投資をする、という意味ではおすすめです。

脱炭素経営やカーボンニュートラルについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。意味や具体例、企業の取り組みについてわかりやすく解説しています。

関連記事 脱炭素経営とは

関連記事 カーボンニュートラルとは

④ 副業や新規事業として投資できる

太陽光発電投資は、副業や新規事業として注目を集めています。

なぜなら、一般的な事業と比較した場合に、投資の手間・負担がかかりにくいことはもちろん、不動産投資のように賃貸契約解約や空室リスクがないためです。

FIT制度の場合20年間固定買取ですので、投資を開始すれば安定した収益を獲得できるでしょう。「何か副業を始めたい(副収入を得たい)」「新規事業を立ち上げて業績向上・節税対策を実施したい」のなら、太陽光発電投資がおすすめです。

太陽光発電投資ファンドのおすすめタイプ

太陽光発電投資をスタートするにあたって重要なのが、自分に合うファンドを選ぶことです。参考として、太陽光発電投資で利用できるおすすめファンドを一覧にまとめました。

ファンドの種類特徴ファンドを販売している会社・企業例
太陽光発電所に投資して分配利益を得るタイプのファンドポピュラーな太陽光発電投資のファンドです。新しく建設される発電所もしくは中古の発電所に投資します。・日本クラウド証券株式会社
・SBIマネープラザ株式会社(SBIソーラー)
太陽光発電所に建設費用を融資して返済利息を得るタイプのファンド発電所を買いたい・設置したい事業者に対して投資するファンドです。工事の運用により、投資額に応じた返済利息・金利を受け取ります。・日本クラウド証券株式会社
・AQUSH
市民ファンド地元市民団体等が全国から出資者を募るファンドです。太陽光発電による事業収益の一部を出資者に配分します。・株式会社自然エネルギー市民ファンド
・おひさまエネルギーファンド株式会社
上場インフラファンド東京証券取引所が2015年4月に開設したファンドです。太陽光発電を含めてインフラ関連の投資ファンドが集まっています。・東京インフラ・エネルギー投資法人
・ジャパン・インフラファンド投資法人

関連記事 太陽光ファンドとは

個人投資家向けの太陽光発電投資物件の選び方

サラリーマンや個人事業主など「個人投資家」として太陽光発電投資を始めたい方向けに、おすすめの物件の選び方を紹介します。 

① 設備や土地の条件から選ぶ

投資物件を選ぶ際には、太陽光発電所の設備や土地の条件から選ぶことが大切です。参考として、今すぐチェックできるポイントを整理しました。

設備や土地の条件のポイント
  • 設備が古すぎないか
  • 発電効率の高い設備か
  • 影が当たらないか(日照時間が長いか)
  • 天候の変化が少ないか
  • 災害の影響を受けないか
  • 保険に加入しているか
  • メンテナンス体制が整っているか
  • 防犯対策が実施されているか

太陽光発電設備は、設備の性能や土地の条件によって発電量が左右されます。また、トラブル対策の有無を確認しておくことで、もしもの損失を避けられるのがポイントです。

投資物件の詳細情報をチェックすることはもちろん、移動できる範囲に物件があるのなら、実際に現地を訪問してみることをおすすめします。

② 実質利回りをシミュレーションして選ぶ

太陽光発電投資の物件を探す際には、必ず実質利回りをシミュレーションしましょう。

実質利回りとは、ランニングコストといった継続的に発生するお金を含めた収益率のことです。参考として、実質利回りの計算方法を以下にまとめました。

実質利回り=(年間売電収入-年間支出)÷初期投資費用×100

中には表面利回りだけを見て利益を予測する方もいますが、実質利回りを見ておかなければ、メンテナンス費や保険代、税金、ローンなどを考慮できません。

場合によっては、表面利回りは低いが、実質利回りが高くなるといった物件も出てくるため、見かけの数字に騙されないように注意してください。

また、表面利回り・実質利回りの計算方法を詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。具体的な計算方法を紹介しています。

関連記事 太陽光発電投資の利回り

これから太陽光発電投資を始める人は「中古案件」がおすすめ

太陽光パネル

初心者の方など、今から太陽光投資を考えている人は、中古市場にある太陽光発電所の案件を購入するのが安心です(業界では中古案件を「セカンダリー」と言います)。

理由は、新たに発電所を建設する場合、建設期間中のリスク」と「建設前にシミュレーションした発電量が発電できるかどうかが分からないからです。

逆に、中古案件(セカンダリー)をおすすめするのは、すでに発電所が存在し、発電量と売電金額のトラックレコードがあるためです。

大きな地球規模の環境変化や、隣接地に大きな建築物が立たない限り、日射量は毎年あまり変わりません。つまり、投資後の収益予測が立てやすいです。

中古案件(セカンダリー)で確認すべき点

中古案件への投資を検討している方は、投資前に次の点をチェックしてください。

  • 実質利回りがいくらになるのか
  • 設備運用年数がどれくらいか

中古太陽光発電所を取り扱っている(仲介)業者の多くは物件一覧サイトで、「過去の売電実績額」÷「販売価格」=「表面利回り」を出しています。

表面利回りが10%以上の高利回り案件もありますが、確認すべき点は固定買取価格」と「残りの買取り期間です。高利回りだとしても、固定買取価格・残り買取期間が小さければ、リターンを回収しにくくなります。

また、太陽光発電設備には寿命があるため、現在どれくらい運用され続けてきた設備なのか確認しておくことも重要です。リパワリングの実施予定や設備交換予定などをチェックしておけば、発電量低下のリスクを回避しやすくなります。

太陽光発電投資における「表面利回り」と「実質利回り」の違いや、それぞれの計算方法については以下の記事をご覧ください。

関連記事 太陽光発電投資の利回り

固定買取期間終了までの予想トータル売電金額とコストを計算する事と、買取期間終了後の戦略も考える必要があります。

また、電力会社によっては発電した電力を売電できない「出力制御」があります。そのようなリスクを想定し、戦略を立てた投資をおすすめします。

太陽光発電投資の節税方法

税金イメージ画像

太陽光発電投資は、個人投資家・企業を問わず節税効果があります。主な節税方法を以下に整理しました。

太陽光発電投資の節税方法
  • 免税事業者になる
  • 設備取得・維持管理費用を経費に計上する
  • 免税・融資制度を活用する

まず、課税所得1,000万円以下かつインボイス未登録の「免税事業者」なら、消費税額分の節約が可能です。2024年時点で10%課税される消費税額分を節約できます。

インボイス制度の登録の必要性に興味をお持ちなら、以下の記事がおすすめです。登録の流れについても説明しています。

関連記事 太陽光発電事業者はインボイス制度に登録すべき?

さらに消費税の還付条件について知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。消費税還付手続きのやり方について紹介しています。

関連記事 太陽光発電の消費税還付

また、設備取得費や維持管理費用といった太陽光発電投資に関わる経費を計上すれば、課税所得から経費分を差し引けるのが魅力です。課税所得を削減できればその分だけ納税額も減っていくため、関係する経費をすべて計上しましょう。

ちなみにサラリーマンが太陽光発電投資を実施し、青色申告で確定申告すれば65万円控除を受けられます。太陽光発電投資に興味があるのなら、税額控除の知識を身に付けておきましょう。

もうひとつ、免税や非課税での融資を受けられる制度も節税に役立ちます。法人のビジネス向けの補助金もあり、高額になりがちな太陽光発電投資の費用・税金を節約できるのが魅力です。

すでに太陽光投資をしている人向けのトレンドや投資戦略

すでに太陽光発電投資をスタートしていて、実際に投資リターンを受け取っている人は、太陽光発電投資のポイントは抑えておられるはずです。

とはいえ、以下のような「太陽光発電投資に関する将来的な問題やトレンド」を投資前に考えていなかった方も多いと思います。

ここではいくつかの問題について、詳細を解説します。

出力制御

「出力制御」は2023年になってからはじめて関西電力、中部電力、北陸電力、沖縄電力で実施されました。

太陽光発電所が普及し、日射量が高い日中の電力供給が増えているためです。

国は、太陽光の国内目標については、現状の導入量「約60GW」を、2030年に2倍の「約120GW」としています。

さらに、2023年5月に実施されたG7広島サミットにて、グローバルな太陽光導入計画値は3倍になるとされています。

今後、太陽光発電所の開発はFIT法施行後(2012年)と同ペース以上で進むことが想定されます。つまり、出力制御が増えることも想定した投資戦略を立てる必要があるのです。

出力制御について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

関連記事 太陽光発電の出力制御(出力抑制)とは?

太陽光パネル廃棄問題

太陽光小規模発電所

太陽光パネルの廃棄問題とは、2030年以降に太陽光パネルの大量廃棄が発生すると想定されているにも関わらず、廃棄処理設備(太陽光パネル処分場)が不足している問題です。またリサイクルの仕組み、リユースの仕組みも完全にできていません。

太陽光パネルは有害物質を含んでいるため、適切な処理が必要です。太陽光発電事業者として、太陽光パネルの責任ある廃棄・処理が求められます。

「太陽光発電設備廃棄費用積立制度」もスタートしますが、想定以上に撤去・処分費用がかかる可能性もあります。

太陽光パネルの廃棄費用や処分方法、発電設備の廃棄費用積立制度ついて詳しくは以下の記事を参考にしてください。

関連記事 太陽光パネルの廃棄費用・処分方法

リパワリング

投資戦略として、まず考えられるのが「リパワリング」です。

はじめにパワーコンディショナー(PCS)の交換についておさえておきましょう。

パワーコンディショナーの寿命は10〜15年と言われています。パワコンは、直流電流を交流電流に変換する太陽光発電の重要な機器です。

出力制御される前、劣化する前、FIT期間中にリパワリングして投資回収を早めることができます。

リパワリングの意味や方法、メリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

関連記事 リパワリングとは

蓄電池の増設

次は、「蓄電池」の増設です。

蓄電池増設は、出力制御が起こった場合に捨てる電気を蓄電池に充電し、夕方以降に売電するシステムを作る投資戦略です。

この蓄電池の増設で充電した電気は、同じFIT価格で売電はできません。

また、蓄電池の増設方法によっては、全ての売電がFIT価格変更になるので注意が必要です。

関連記事 太陽光発電に蓄電池の併用は必要?

卒FIT

卒FITとは、「固定価格買取制度(FIT制度)」による電力の買い取りが終了することです。

FIT期間が終了すると、電力の買取価格が下がり、売電収入も減少します。

卒FIT後も安定して売電収入を得るためには、対策が必要です。

卒FITについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。FIT終了後におすすめの太陽光設備の活用方法や、売電先別の買取価格を解説しています。

関連記事 卒FITとは

投資ポートフォリオ入れ替え戦略

最後の投資戦略は、「投資ポートフォリオ入れ替え戦略」です。

ロシアによるウクライナ侵略やエネルギー価格の高騰、電力需給にひっ迫、企業活動のカーボンニュートラルなどの動きがあり、中古太陽光発電所のマーケットでは高値で取引されています

投資目的にもよりますが、現在の良いマーケットで太陽光発電所を売却することも戦略のひとつです。

太陽光発電所の売却については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事 太陽光発電所の売却方法と高額査定のポイント

そして新たに太陽光(シェアリング案件)、バイオマス発電所、風力発電所への投資を検討することも考えられます。

保有の太陽光発電所の売却をご検討の際は!

太陽光市場の将来性について

結論として、太陽光市場を含む再生可能エネルギー市場は、成長することが予想されます。

2023年5月の「G7広島サミット」でも、石炭だけでなく石油や天然ガスを含む化石燃料全般の段階的な廃止に合意をしています。

また、G7の7ヵ国を合わせた太陽光発電の導入量を、2030年までに10億kW以上とする目標を明記しました。これらは、政府首脳レベルでの合意です。

参考:G7共同声明、新目標を設定、「国内太陽光」に追加対策を迫る – ニュース – メガソーラービジネス : 日経BP

太陽光発電を含む再生可能エネルギーの普及は、カーボンニュートラルに貢献するだけでなく、日本のエネルギー安定供給の確保、産業力強化のためにも不可欠です。

また、昨今意識が高まるSDGs(持続可能な開発目標)の観点からも、太陽光発電はより推進されるでしょう。太陽光発電とSDGsの関係については以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事 太陽光発電とSDGsの関係

さらに詳しく太陽光発電の将来性のことを知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。

関連記事 太陽光発電の10年後はどうする?

関連記事 太陽光発電は今後どうなる? 将来性と課題

太陽光発電投資に関するよくある質問

太陽光発電投資に関して、実際によくある質問とその回答です。

Q
不動産投資との違いは何ですか?

太陽光発電投資は、空室リスクなし」「入居者トラブルなしです。

デメリットは収入の季節変動リスクと投資の出口の予想が難しいことです。

一方、不動産投資は同様に安定した収入がありますが、「空室リスク」「空室リスク」が存在します。

しかしながら、担保価値評価がつきやすく出口戦略を立てやすいのが不動産投資です。

Q
太陽光投資の初期費用(投資額)はどれくらい?

太陽光発電投資の初期費用は、融資を何割受けるかどうか、その人の収入や法人の収入により正確な回答は難しいです。

一般的に初めて投資する場合は、低圧太陽光投資になると思います。金額だと1,500万円〜2,500万円の価格帯が多いです。

これは高いから良い、安いから悪いという考え方ではなく、FIT価格、年間想定売電収入、容量、エリアによって金額が変わります。

中古(セカンダリー)の場合は、売主の意向も入るため、投資する前に良く調査して検討することが大切です。

Q
太陽光発電設備は何年使える?

太陽光発電所は大きく、架台・パネル・パワーコンディショナー(PCS)の部品によって作られています。

太陽光発電所の法定耐用年数は17年ですが、実際の期待寿命は30年以上の想定です。

しかしながら、パワーコンディショナーは10〜15年で交換が目安だと言われています。

自動車と同様に、修理が必要な箇所はメンテナンスしながら保有することになります。

ただし、太陽光はメンテナンスフリーと言われているとおり、頻繁な故障はないと想定して問題ないでしょう。自然災害による破損の方が多いです。

Q
20年後(固定価格買取制度終了後)の太陽光発電はどうなる?

太陽光発電に関しては、この質問が一番多い質問です。

すでに10kw未満発電所(主に住宅用)が卒FITしています。

その太陽光発電所は作った電力を自宅用に使ったり、新しい売電先を見つけて売却を継続したりしています。

同様に、FIT終了後の太陽光発電所では、売電先を見つけて売電していくでしょう。この場合、売電単価はFIT単価よりも安くなることが想定されます。

また、太陽光投資の発電所は、土地を賃貸しているケースも多いです。この場合は、契約内容によりますが、発電所すべて(パネル含む)を撤去して処分する必要があります。

よって、20年後=FIT終了後も見据えて太陽光投資をする必要があります。

Q
太陽光発電投資は儲かるの?

太陽光発電投資の表面利回りは7~10%であり、株式投資の利回り(約2%)や不動産投資の利回り(約3~5%)に比べて高利回りを期待できます。短期間でリターンを回収できるため、儲かりやすい投資方法です。

関連記事 太陽光発電投資の利回り

Q
太陽光発電投資の維持費はどれくらいかかるの?

太陽光発電投資にかかるメンテナンス費用は、0.28~0.56万円/kW/年だと言われています。一般的なメンテナンス費用の内訳を以下にまとめました。

  • 日常運転管理・監視
  • 雑草の除草作業
  • 定期点検
  • 事故対応・修繕
  • 保険加入
  • 土地賃借料

さらに詳しいメンテナンス費用を知りたい方は、以下の記事がおすすめです。各内訳費用の金額を解説しています。

関連記事 太陽光発電のメンテナンス費用(維持費)

Q
太陽光発電投資は何の所得として計上するの?

太陽光発電投資で得た所得は日本が定める税制の「雑所得」として計上します。雑所得は、累進課税に該当し、所得税、住民税、復興特別所得税を納税しなければなりません。

ただし、会社員として年末調整した年収を除く収入(雑所得)が20万円未満である場合には、確定申告が不要です。

太陽光発電投資まとめ

太陽光発電投資は、サラリーマンの副業としても、法人の新規事業としても安定的なリターンを狙うことができ、かつカーボンニュートラルに貢献できる投資です。

しかし、投資にはリスクが存在しており、十分に調査検討し始める必要があります。

また、20年間という期間が決まっているので、FIT終了後はどのようにするのかをイメージしておく必要もあります。

保有太陽光発電所のリパワリング」や「ポートフォリオ入替(追加購入・売却)も検討しながら投資しましょう。

監修
アスグリ編集部
アスグリ編集部
株式会社GRITZ
運営元である株式会社GRITZは、野立て太陽光発電所を土地取得-開発-販売まで自社で行っています。自然環境に影響が出ないように、耕作されていない農地(休耕地)に野立て建設しています。自然エネルギーの普及は、脱炭素社会を目指すうえでは欠かせません。当社のビジネスを通じて、カーボンニュートラルな地球に貢献することをミッションとしています。
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