太陽光発電投資

2024年に太陽光発電はやめたほうがいい? 後悔しないためのポイントを解説

太陽光発電やめた方がいい
阿部希

「太陽光発電やめたほうがいい、やめとけという意見があるのはなぜ?」
「今から太陽光発電投資を始めるのは、時代遅れなのか?」 

上記のように考え、太陽光発電の購入を迷っている方もいるのではないでしょうか。

2012年の固定価格買取制度開始後、普及が進んだ太陽光発電ですが、トラブルも多く「太陽光発電やめたほうがいい」と考える方も多い状況です。

そこで本記事では、2024年において「太陽光発電はやめたほうがいい」と言われる理由について解説します。

太陽光発電の購入で後悔しないポイントも分かる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。

当サイトでは、太陽光発電投資についても詳しく解説しています。失敗のリスクやデメリット、投資戦略について知りたい方は参考にしてください。

【2024年】太陽光発電はやめたほうがいいと言われる理由

住宅と太陽光パネル

太陽光発電が「やめたほうがいい」と言われる理由は、以下の4つです。

  1. シミュレーションより発電量が少ない可能性があるため
  2. ランニングコストが発生するため
  3. 近隣住民から反対される可能性があるため
  4. 出力制御(出力抑制)で売電収入減少の可能性があるため

なぜやめたほうがいいと言われてしまうのか、それぞれ詳しく解説します。

関連記事 太陽光発電投資の失敗事例

シミュレーションより発電量が少ない可能性があるため

事前のシミュレーションよりも実際の発電量が少ないケースがあることが、太陽光発電はやめたほうがいいと言われる理由の1つです。

シミュレーションでは以下の項目に発電所のデータを当てはめて、年間発電量を計算します。

シミュレーションに必要な項目
  • 設置場所の日射量
  • 発電設備の出力容量
  • 変換効率や設置条件などによる損失

日射量は、NEDOが公開している日射量データベースで確認できます。

日射量とは、地球に届いている太陽の光エネルギーの強さを総量で表したものです。

発電設備の出力容量は設置するパネル種類と枚数、またはパワーコンディショナーの種類と台数によって異なります。

実際の発電量がシミュレーションよりも大幅に少ない事態にならないために、発電量が減少する要因を漏らさず考慮できるかが重要です。

考慮したい項目には、以下のようなものがあります。

シミュレーションで考慮する項目
  • 発電した電気の変換効率によるロス
  • 温度による発電のロス
  • パネルの向きや設置角度によるロス
  • 出力制御の量

発電量の減少を考慮できていないシミュレーションを見て購入すると決めた場合、収支が合わなくなって「太陽光発電やめたほうがいい」と考える結果になるでしょう。

ランニングコストが発生するため

太陽光発電は施工したら終わるのではなく、設備が最適な状態で発電できるよう維持管理のためのランニングコストがかかります。

経年劣化で太陽電池の発電効率が低下しないよう定期的なメンテナンスや、自然災害の被害などで機器が故障した場合に備えて保険加入など、一定のコストが必要です。

太陽光発電にかかるメンテナンス費用や、維持費の相場については以下の記事をご覧ください。

関連記事 太陽光発電のメンテナンス費用(維持費)

出力容量500kWの産業用太陽光発電の場合、1年間で発生するランニングコストは、約170万円/kWが相場と言われています。

ランニングコストが予想より高くなった場合、想定外の支出が発生するため、太陽光発電はやめたほうがいいと思う原因になりかねません。

近隣住民から反対される可能性があるため

地域の近隣住民から、太陽光発電の設置に反対されることがあります。

反対の声があがる理由は様々ですが、事例は以下のとおりです。

設置に反対される理由
  • 土砂災害の発生を懸念している
  • 樹木を切り倒したり、根を抜いたりした後の環境への影響を心配している
  • 設備の稼働音や太陽光パネルの反射光による生活環境悪化を懸念している
  • 景観が悪くなることを心配している

近隣住民の反対によって太陽光発電が設置できなくなったケースもあるため、やめたほうがいいと言われる原因になっています。

出力制御(出力抑制)で売電収入減少の可能性があるため

太陽光発電はやめたほうがいいと言われる理由として、2023年に出力制御が実施された地域が増えたことが挙げられます。

電気の需要と供給のバランスが崩れると予測されるときに、停電を防ぐための対策として出力制御が実施されます。

一般的に東京電力・中部電力・関西電力は電力の需要が多く、出力制御が実施される可能性は低いと言われてきました。

しかし以下のように、出力制御が実施されています。

実施された出力制御の時期と電力会社
  • 2023年4月:中部電力
  • 2023年6月:関西電力

発電した電気があっても、出力制御されている間は電力会社に買い取ってもらえないため、売電収入が減少します。

出力制御が実施されるエリアでは売電収入が減少しかねないことが、太陽光発電はやめたほういいと言われる理由です。

関連記事 出力制御(出力抑制)とは

太陽光発電をやめたほうがいい土地の5つの条件

太陽光発電を設置しないほうが良い土地の条件は、以下の5つです。

  1. 日射量が少なく日照時間も短い
  2. 太陽光を遮りそうな建築物がある
  3. 地盤が緩い
  4. 海や河川が近い
  5. 太陽光発電設置に反対の近隣住民がいる

なぜ太陽光発電をやめたほうがいいと判断できるのか、具体的に説明します。

日射量が少なく日照時間も短い

日射量が少なく、日照時間が短い土地は、十分な発電量が見込めないため太陽光発電の設置に向いていません。

日照時間とは、昼間に直射日光が地面を照らした時間を指します。

日中に太陽光が地面に届く日照時間が長い土地ほど、ソーラーパネルが長時間発電できるため太陽光発電に適しています。

以下の図は、地域ごとの日射量と発電量を記載したものです。

地域ごとの日射量と発電量
出典:各地の年間予想発電量と平均日射量|農林水産省

図からも分かるように、日射量が多いと発電量も増加します。

安定した発電量を確保できないため、日射量が少なくさらに日照時間が短い土地への太陽光発電設置はやめたほうがいいと言えます。

太陽光を遮りそうな建築物がある

太陽光パネルに影を作りそうな建物が近くに建っている土地も、太陽光発電の設置はやめたほうがいいです。

樹木や雑草であれば土地の所有者に了承してもらえれば伐採できますが、建物は簡単に解体できません。

建物と太陽光パネルの位置関係にもよりますが、季節や時間帯によっては長時間、影ができて発電量低下の可能性があります。

発電量を減少させる要因はないほうが良いため、太陽光を遮る建物が近隣にある土地は太陽光発電の導入には向いていないと言えるでしょう。

地盤が緩い

地盤に強度がなく緩い土地も、太陽光発電の設置場所には適していません。

野立て太陽光発電では、架台の基礎部分に杭を使用する工法が多く採用されています。

長さが160cm以上あるスクリュー杭と呼ばれる杭を、以下の図のように地面に打ち込んで固定する方法です。

スクリュー杭施工イメージ
出典:太陽光パネルの設置工事の杭の設置工法等の変更|長野県

土地の地盤が緩いとスクリュー杭が地面に固定されず、工法を決めるために以下の対応が必要で、設置費用が高くなります。

地盤が緩い土地で対応が必要な項目
  • 地盤調査
  • 引き抜き試験
  • コンクリート基礎工事

相場よりも金額が高額になり初期費用の回収に時間がかかるため、地盤が緩い土地への太陽光発電設置はやめたほうがいいでしょう。

関連記事 野立て太陽光発電とは

海や河川が近い

海や河川が近い土地は潮風や水害の影響で機器故障の可能性があるため、基本的に太陽光発電は設置しないほうが良いと言われています。

海からの距離が近い塩害地域の定義は、以下のとおりです。

塩害地域
  • 塩害地域:海からの距離が500~2,000m ※7,000m以内の場合もあり
  • 重塩害地域:海からの距離が200~500m

海岸の近くでも太陽光発電を設置できますが、塩害対策されたパネルやパワーコンディショナーなどを選ぶ必要があります。

対象機器が限られて、通常よりも購入費用が割高になる点もデメリットです。

都道府県の自治体が制定しているガイドラインで、河川の近くは太陽光発電の設置に適していないされていることがあります。

台風や大雨などの影響で河川が氾濫してしまうと、発電設備が水害による被害を受けかねません。

機器故障のリスクが高くなるため、海や河川が近い土地での太陽光発電はやめたほうがいいと言えます。

太陽光発電設置に反対の近隣住民がいる

近隣住民が太陽光発電の設置に反対している土地も、やめたほうがいいでしょう。

住民説明会で設置に反対している近隣住民に納得してもらえれば、太陽光発電を設置できる可能性があります。

しかし双方の認識が少しでも相違していると、着工後にトラブルとなって再び反対されかねません。

都度近隣住民の意見や要望を聞いて対応していけば、運用開始まで辿り着けますが、反対されるたびに工事が止まるため、運転開始期限に間に合わない可能性もあります。

太陽光発電で成功するためには、近隣住民の理解を得ることも大切な要素です。

反対意見を持った住民が多い土地への太陽光発電設置は、対応する労力が大きく、なかなか売電を開始できないリスクもあるためおすすめできません。

以下の記事では、太陽光発電の設置前・設置後によくあるトラブルをまとめています。近隣住民とのトラブルもあるので、詳しくはこちらをご覧ください。

関連記事 太陽光発電の農地トラブル

太陽光発電で後悔しないためのポイント

太陽光発電で後悔しないために押さえておきたいポイントは、以下の4つです。

  1. 太陽光発電のメリット・デメリットを把握する
  2. シミュレーション内容が正しいか確認する
  3. 初期費用以外に発生するコストを把握する
  4. 近隣住民から理解を得られるようにする

購入してから「太陽光発電をやらなきゃよかった」と思わないためにどのようにすれば良いか、詳しく見ていきましょう。

太陽光発電のメリット・デメリットを把握する

太陽光発電を購入したらどのようなメリットとデメリットがあるか、把握することが後悔しないために大切なポイントです。

特にデメリットについてよく確認し、マイナス要素が問題ないレベルなのか、損失に繋がりそうなのかなどじっくり検討して購入するか決める必要があります。

インターネット検索だけだとよく分からない場合は、販売店の無料セミナーに参加するのも良いでしょう。

メリット

太陽光発電を購入するメリットとその理由を、表にまとめました。

メリット理由
売電収入を得られるFIT制度の適用期間中は、固定された単価で安定した収益が見込める
住宅用太陽光発電(10kW未満)の買取期間:10年間
産業用太陽光発電(10kW以上)の買取期間:20年間
環境負荷の軽減に貢献できる太陽光発電では電気を作る際に、二酸化炭素を排出しないため環境にやさしい
節税対策になる法定耐用年数の17年間減価償却でき、納税の負担が減らせる

デメリット

太陽光発電の購入に関するデメリットは、以下の表のとおりです。

デメリット理由
初期費用や維持費がかかる初期費用のほかに、点検やメンテナンスなどの維持費用が必要
初期費用相場:23.6万円/kW
維持費相場:0.28万円~0.56万円/kW/年
売電収入が天候に左右される常に晴天が続くわけでないため、天候によっては売電収入が少ないこともある
出力制御(出力抑制)が実施されるエリアが増えている電力が買取されない出力制御が実施されると売電収入が減少する
2023年に初めて中部電力と関西電力で出力制御が実行された

太陽光発電投資のメリット・デメリットについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

関連記事 太陽光発電投資とは

シミュレーション内容が正しいか確認する

太陽光発電を購入した後で後悔しないために、シミュレーションが正しい情報を基に作成されているかチェックしましょう。

確認したいポイントは、以下の3つです。

チェックするポイント
  1. 参照する日射量データは太陽光発電の設置場所と一致しているか
  2. 変換効率などのロス分が正しいか
  3. 設備容量は合っているか

シミュレーションと実際の発電量の差を少なくするためには、なるべく正確なデータで計算する必要があります。

想定と実際の発電量の差が大きいとローンの返済計画にも影響が出て、失敗の原因になりかねないためシミュレーションは念入りに確認することをおすすめします。

初期費用以外に発生するコストを把握する

太陽光発電を購入した後、月々の保険料やメンテナンスで、いつ何にどれくらいの費用がかかりそうか事前に把握しておくことも重要です。

故障が少なく、最大の発電量を確保し続けるためには、こまめなシステムのメンテナンスや必要に応じた修理・交換が必須になります。

以下は、事前確認がおすすめの項目です。

事前に把握したい項目
  • メンテナンスや定期点検の見積もりを業者に依頼して料金を把握する
  • メーカー保証や保険が適用される範囲を把握する

上記のほか、有償修理が必要になった場合に備えて資金を準備しておくと安心できます。

太陽光発電で後悔しないためには、発生するかもしれないコストを把握して備えておくと良いでしょう。

近隣住民から理解を得られるようにする

太陽光発電を成功させるためには、近隣住民から設置に反対されない状況が必要不可欠です。

いきなり工事を始めるとトラブルになる可能性が高く、可能なら工事を開始する前に挨拶にまわるなどの対応が必要でしょう。

近隣住民から反対されてしまい、太陽光発電の設置自体を断念することになった事例もあります。

円滑に工事を進めるために近隣住民とコミュニケーションをとるなどして、太陽光発電設置について理解してもらえるように工夫することが、後悔しないためのポイントです。

本当に太陽光発電はやめたほうがいいのか? まとめ

太陽光発電はやめたほうがいいと言われる理由は、4つあります。

やめたほうがいいと言われる理由
  1. シミュレーションより発電量が少ない可能性があるため
  2. ランニングコストが発生するため
  3. 近隣住民から反対される可能性があるため
  4. 出力制御(出力抑制)で売電収入減少の可能性があるため

これらは実際に太陽光発電を購入された方が「失敗した」と、考えた原因です。

「なぜ失敗してしまったのか?」に注目して、対策した上で太陽光発電を購入すれば成功できると言えます。

監修
アスグリ編集部
アスグリ編集部
株式会社GRITZ
運営元である株式会社GRITZは、野立て太陽光発電所を土地取得-開発-販売まで自社で行っています。自然環境に影響が出ないように、耕作されていない農地(休耕地)に野立て建設しています。自然エネルギーの普及は、脱炭素社会を目指すうえでは欠かせません。当社のビジネスを通じて、カーボンニュートラルな地球に貢献することをミッションとしています。
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