使わなくなった田んぼや畑の活用方法は? 相続した農地はどうすれば良いのか専門家解説
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「農地は農地としてしか活用できないし、売却するにも農家以外に売却できない……」
「使わなくなった田んぼを手放したい……」
「田んぼをやめて、活用する方法は?」
上記のように悩んでいませんか?使わなくなった農地(田んぼや畑)など、相続した農地の活用方法には困るものです。
そこで本記事では、以下について解説します。
使わない農地を有効利用する方法が知りたい方はぜひ参考にしてください。
管理できていない・放置している田んぼを売りたいとお考えなら、「農地売却の方法(田んぼを売るには?)」をご覧ください。農地の売却方法や税金、費用について解説しています。
相続した農地はどうする?
相続した農地について、知っておくべきことがあります。
- 令和6年4月1日より相続登記の申請が義務化
- 相続登記が完了していない農地は、荒廃地になる可能性が高い
- 農地を相続する場合の手続き
令和6年4月1日より相続登記の申請が義務化
所有者不明土地問題の解決に向けた法律が令和3年4月に成立し、相続登記の申請が令和6年4月1日から義務化されます。
国として被災地の復興事業での区画整理が所有支社不明土地のために、整備を進めることができない、あるいは周辺環境や治安の悪化を招くといわれています。
実際、2016年時点で「所有者不明の土地」は九州本島の面積を上回る約410万へクタールあり国土の22%に上ります。
義務化の施行日(令和6年4月1日)前に発生した相続についても、施行日から3年以内の登記の申請が義務付けられます。
つまり、親から相続した農地をそのまま登記せずに放置している方も、3年以内に登記する義務が発生します。
相続登記する土地に認識していない抵当権がついている場合
登記せずに放置している農地を所有権移転登記をしようとしたときに「農業協同組合」や「古い名前の銀行」の抵当権が設定されているケースがあります。
このようなケースでは、相続登記する前に「借入があるかどうか」を確認してから抵当権を抹消する手続きが必要です。
営農していた際に、農業協同組合から肥料等の購入をしていた慣例から、地域によっては抵当権を設定したまま抹消せずに放置していることもあります。
また「古い名前の銀行」の抵当権が設定されている場合は、その銀行が合併を繰り返した「現在の存続銀行名」を確認し、抹消する必要があります。
いずれも司法書士等の専門家に相談し、相続手続きと合わせて依頼するのがおすすめです。
相続登記が完了していない農地は、荒廃地になる可能性が高い
以下のような理由で相続登記が完了していない農地は、管理する責任者が明確ではないため「耕作放棄地」となる可能性が高いです。
- 相続人全員が農業をしていない
- 登記手続きに費用がかかる
- 遺産分割協議書を作成していない
耕作放棄地となった農地が宅地にあるケースでは、隣接宅地への草木の侵入、産業廃棄物やゴミの不法投棄場化する問題などが存在します。
耕作放棄地の現状や問題、解決策について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 耕作放棄地とは? 問題と解決策
田エリアにある農地でも、風や動物によって運ばれた種子が根付く事により山林化する問題もあります。耕作放棄地になっている相続人は、農地から遠方に住んでいる事が多く現状の農地の姿を知らないことがほとんどです。
相続登記をしていない農地や耕作放棄地はどのように対処すれば良いか次に調べてみました。
農地を相続する場合の手続き
まず誰が農地を相続するのかを決める必要があります。(協議の前に、農地で農業をするのか売却するのか方向性を話合う必要があります)
管轄法務局で農地の相続登記します。
一般的な相続登記に必要な書類は以下のとおりです。
- 被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍・除籍・改製原戸籍
- 被相続人の戸籍の附票又は住民票の除票(戸籍の記載があるもの)
- 法定相続人全員の戸籍謄本又は戸籍抄本
- 農地を取得する相続人の住民票の写し
- 農地の固定資産評価証明書(最新年度のもの)
- 法定相続人全員の署名及び実印押印済の遺産分割協議書
- 法定相続人全員の印鑑証明書
- 農地(不動産)の権利証
※ 手続きを行う際は専門家(司法書士等)に確認の上、手続きしてください。
農地を相続した場合、管轄の農業委員会に届出をする必要があります。
「農地法第3条届出」と言われるもので、農地法に規定されています。
関連記事 農地法をわかりやすく解説
管轄の農業委員会に問い合わせをして、届出書に必要事項を記載して提出すれば手続きは完了です。
アスグリの「農地買取センター」なら、相続登記が終わってない……といったお悩みに関して無料で相談を受け付けております。
当社が専門の司法書士を紹介させていただき、相続手続きをフォローさせていただきます。
そのほか、「放置している農地を処分したい」「毎年の草刈りが大変で管理できない」といった農地を買取しています。詳しくは以下よりご覧ください。
農地以外に活用可能か判断するために、まず「農地種別」を確認
相続した農地、保有している農地の種別をご存じですか?
実は、農地には5つの「農地種別」が存在します。
農業振興地域内・農用地区域内 | いわゆる青地と言われる農地 (原則農地転用不許可) |
---|---|
甲種農地 | 第1種農地の条件を満たす農地であって、市街化調整区域内の土地改良事業等の対象となった農地(8年以内)等特に良好な営農条件を備えている農地 (原則不許可) |
第1種農地 | 10ha以上の規模の広がりのある農地、土地改良事業等の対象となった農地等良好な営農条件を備えている農地 |
第2種農地 | 第1種農地に該当しない、広がりのない分断された農地。市街地として発展する可能性のある農地 (原則許可) |
第3種農地 | 都市整備区域内の農地(原則許可) |
上記は、あくまでも判断基準です。詳しくは、市町村の農業委員会に確認する必要があります。
農地以外の用地にするには「農地転用」の手続きが必要
農地以外の用地にすることが決まったら、農地転用の手続きが必要です。具体的には、以下の書類を揃え、農業委員会に転用許可申請をします。
- 土地の登記事項証明書
- 売電事業者の登記簿謄本
- 公図の写し(縮尺1/600程度)
- 住宅地図(近隣の状況がわかる地図)
- 現況写真(申請地全体が見渡せる写真)
- 申請場所隣接地の土地登記情報
- 土地利用計画図(縮尺1/500程度)
- 土地造成計画の平面図、断面図
- 太陽光発電設備の立面図、平面図
- カタログ等(太陽光パネル、パワーコンディショナー、キュービクル)
- 資力を証明する書面(建設するのに必要な資力)
- 等々
※ 転用する目的や市区町村の農業委員会毎に、提出する書類が異なります。
※ 今回は太陽光用地として農地を転用するケースで記載します。
以上のように、農地転用の手続きには準備する書類がたくさんあります。
市町村の農業委員会への相談、専門家の行政書士に相談することをおすすめします。
農地転用について、できる土地・できない土地の違いや、手続き・費用について以下の記事でも詳しく解説しています。農地転用について知りたい方はぜひご覧ください。
関連記事 農地転用とは
農地転用できる土地とできない土地の違いについては、以下の記事を参考にしてください。
関連記事 農地転用できない土地とは
ちなみに「農地買取センター」なら、農地転用手続きも専門家にまかせて農地売却ができます。
【農地のまま】田んぼや畑のまま活用する方法
農地は原則、農地以外の目的で利用できません。
そのため、そのまま農地として活用する場合には特段問題はありません。
ただし、田んぼや畑のまま活用する方法には次の3つがあります。
- 農地を知人に貸す
- 農地バンク(農地中間管理機構)に預ける
- 市民農園にして貸し出す
① 農地を知人に貸す
農地として活用することは、日本の食料自給率を確保するためにも大切です。
しかしながら、相続した農地から遠方に住んでいるため、耕作ができない問題もあります。
農家に貸し出して耕作してもらうことも可能ですが、その場合は必ず農業委員会に連絡・相談・手続きが必要です。
後々トラブルに発展しないよう、ルール通りの手続きをすることをおすすめします。
近隣農家や知人の中に借り手が見つけられる場合には、農地のままで貸し出しましょう。
近隣住民とのトラブルなど、太陽光発電用地の農地トラブルについては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
関連記事 太陽光発電の農地トラブル
② 農地バンク(農地中間管理機構)に預ける
農地を農地として貸し出したいと考えたとしても、借り手が見つからないケースもあります。
そのような場合に活用できるのが、農地バンク(農地中間管理機構)です。農地集積バンクとも呼ばれます。公的機関が農地の貸し手と借り手の仲立ちをしてくれます。
農地を農地バンクに登録すると、借り手を探してくれるだけではなく、賃料が確実に得られるという点が貸し手にとってのメリットです。また、10年間の貸出期間が終了すると、農地は確実に返却されます。
ただし、契約期間中に何らかの事情により返却してほしいとなった場合にも、解約は難しいことに注意が必要です。
③ 市民農園にして貸し出す
市民農園として整備して貸し出すのも、田んぼや畑のまま活用する方法のひとつです。市民農園の開設には、次の3つの方法があります。
- 市民農園整備促進法に基づく方法
- 特定農地貸付法に基づく方法
- 農園利用方式に基づく方法
市民農園整備促進法に基づく方法では、市町村が指定した市民農園区域や、都市計画法によって市街化区域に指定された農地に開設されます。休憩施設、トイレなどの施設を設置するにあたって、農地転用の許可は必要ありません。開設にあたっては市町村への申請が必要です。
特定農地貸付法に基づく方法では、開設できる場所に関する定めはありません。農園の区画を貸し出します。農業委員会への申請が必要です。
農園利用方式に基づく方法では、農業経営の一環として体験農園を開設します。法的な手続きは不要ですが、開設者が農園管理を行わなければなりません。
【農地転用する】使わない田んぼや畑の有効的な活用方法
農地以外で活用する場合は、農地区分(農地種別)によって太陽光用地・資材置き場等への転用できるかどうかが異なります。
具体的な活用方法としては、以下のようなものがあります。
- 太陽光用地
- 資材置き場
- 住宅用地、アパート用地
- 駐車場
- 高齢者施設
① 太陽光用地
農地は、耕作する事に適した土地で、日当たりの良い平地に多く存在するため、「太陽光用地」としての活用は有効的です。
関連記事 農地で太陽光発電を行うには?
太陽光発電は、太陽の光を電力(クリーンエネルギー)に変える場所になります。
昔から大切にされてきた日当たりの良い農地を太陽光用地として有効活用するのは、理に適っています。
また、農地に太陽光発電所を設置する場合、ほとんどのケースで野立てに設置する(コンクリート基礎等を設置しない)ので、環境問題の心配もありません。
雑草刈り等のメンテナンスも設置者が定期的に行うため、近隣への環境問題も配慮されます。
設置者により、草刈りをせずに放置されるケースもあります。
どのような会社が保有するのかどうかは注意してください。
「SDGs」の考えや国の方針もあり人気の太陽光発電所ですが、日当たりが良い立地だけでは活用する事ができません。
太陽光発電がSDGsの何番目の目標に、どのように貢献するのかについては、以下の記事をご覧ください。
関連記事 太陽光発電とSDGsの関係
「安全性の観点から接道しているかどうか?」「電気を流す電柱が近くにあるかどうか?」など現地確認が必要になります。
相談は無料です!
② 資材置き場
「資材置き場」は、建築会社や土木会社が資材の一時保管に使用する場所のことです。
建築用資材等は大きな物が多く広い土地が必要になります。
またトラックでの運搬をすることになるため、大通り沿いの道路付けが良い(間口が確保される)土地が活用しやすいです。
③ 住宅用地、アパート用地
相続した農地が、住宅地の中にあったり移住者が増えているエリアであれば、住宅用地やアパート用地として活用することも考えられます。
相続した農地に自分の家を建てて住む場合と、住宅用地として売却するケースによってもルールが違うようです。
農地を宅地として売却するには、地元の不動産会社さんに相談することをおすすめします。
④ 駐車場
農地の立地によっては、駐車場経営も有効な活用方法です。農地が人口の多い地域内にある場合には、初期投資の少ない駐車場経営を検討してみましょう。
駐車場は、月極契約の場合とコインパーキングなどの一時利用にする場合があります。月極契約では、機械を導入する必要がなく、契約者の確保ができれば安定収入が見込めます。一方、コインパーキングは機械の導入が必須になりますが、利用者が多ければ高収入を得られるのがメリットです。ショッピングセンター、工場、観光地などが近隣にある場合には、コインパーキング経営も可能です。
他の活用方法と比較すると、収益性の低い事業ですが、撤収も容易であるため、一時的に駐車場にすることもできます。
⑤ 高齢者施設
人口の少ない立地に農地がある場合、高齢者施設を建設したり、高齢者施設用地として事業者に貸し出したりするのも活用方法のひとつです。
医療や介護を必要とする高齢者にとっては、むしろ人口の少ない静かな田舎は、快適な環境であると言えます。田舎であれば、室内の広さも確保しやすいです。
また、利用者は継続的に施設を利用することが一般的であるため、立地に左右されることなく経営が成り立ちやすくなります。公共性が高いため、地域にも受け入れてもらいやすいです。
ただし、初期投資が大きくなること、他の事業には容易に転用できないことなどのデメリットがあるため、施設用地として事業者に貸し出すことも検討しましょう。
農地活用ビジネスの事例
農地活用をした実際のビジネス事例としては、以下のようなものがあります。
- 太陽光発電所を建設する
- 農家に貸して耕作してもらう
事例① 太陽光発電所を建設する
日当たりの良い農地は、太陽光用地に最適といえます。
水捌けもよく、野立てで太陽光発電所を建設できるため、環境にも優しいです。
関連記事 野立て太陽光発電とは
太陽光発電事業が終了後には、発電所を撤去し農地に再転用もできます。
あるいは、太陽光発電事業者に賃貸・売却も可能です。
事業性については、「接道しているか」「電柱が近くにあるか」が見極めのポイントとなります。
太陽光発電事業者に適地かどうか確認してもらうことも可能です。
事例② 農家に貸して耕作してもらう
農地転用できない農地を保有していて、自分では耕作できない場合、農家の方に貸して耕作してもらうことも可能です。
賃貸料は期待できませんが、耕作した作物をもらえるケースが多いようです。
「田んぼを貸して作ってもらう」という選択肢も視野に入れてみてください。大切な農地で美味しいお米、新鮮な野菜を作ってもらいましょう。
遊休農地の活用に使える補助金
各都道府県によっては、遊休農地・荒廃農地対策事業として補助金を出しているケースもあります。
たとえば福島県では、遊休農地再生事業として「草刈り、樹木の伐採・伐根、深耕、整地作業」と合わせて行う土壌改良費、種苗代や条件改善整備として暗きょ排水工、客土の事業に対して定率1/2以内、事業費200万円未満(補助額上限99万9千円)の対策事業を行っています。
また、農林水産省による多面的機能支払交付金も活用できるケースがあります。多面的機能支払交付金は、農業の持っている多面的機能の維持・発揮を図るための地域の共同活動を支援する補助金です。
具体的には、農地法面の草刈り、農道の路面維持、水路、農道、ため池の軽微な補修、未舗装農道の舗装などが対象となるため、遊休農地の活用をする際に該当する可能性があります。
まずは、自治体の担当窓口に相談してみましょう。
農地として再生を検討される場合は、対象の都道府県で使える補助金や補助事業、国の補助金などを確認することをおすすめします。
遊休農地に関する補助金については、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事 遊休農地とは
使わなくなった田んぼや畑の活用方法 まとめ
相続した農地は3年以内に相続登記をする必要があります。
また過去に相続した農地も対象です。農地は、農地法によって自由に売買できません。相続登記手続には登記費用や相続人が集まって話し合いをして、遺産分割協議書を作成する必要もあります。
相続登記を放置したままの状況で、相続人(共同保有者)が死亡した場合は、その相続人が共同保有者となり多数の共同所有者で保有していることになります。手続きは時間が経過するにつれ難しくなります。
まずは、相続した農地をどのように活用するか方向性を決めて手続きを進める必要があります。
農地は日本の先祖代々の大切な財産です。日当たりの良い農地を、太陽光用地として活用し太陽の光を日本のクリーンエネルギー普及を育てることも、再エネ課題のひとつの解決策かもしれません。
「使わない農地(田・畑)を処分したい」「毎年の草刈りが大変」とお悩みなら
「使わない農地や遊休地を処分したい」「田んぼを手放したい」と思ったら、どのように有効活用できるかどうか考えましょう。
農地の活用の代表例は以下のとおり。
- 農地として活用(耕作してくれる人を探す)
- 市民農園にして貸し出す
- 太陽光用地として賃貸・売却をする
- 資材置き場として賃貸・売却をする
- 住宅用地、アパート用地として売却する
- 駐車場を経営する
- 高齢者施設用地にする
太陽光用地は「接道の要件」「電柱の要件」「農地種別の要件」がポイントになります。
太陽光用地として使わない農地を賃貸・売却出来るか知りたい方は、下記より「農地買取センター」へお問い合わせください。