農地を無料で手放すのはもったいない! 有効活用方法や手放すときのマッチング方法を紹介

「無料でも良いから農地を手放したい(処分したい)!」
「ほったらかしにしている農地の取り扱い方がわからない」
所有している農地に関して、上記のようなことに悩んでいませんか?農地を手放したいけれどやり方がわからず、無料でもいいからどうにかしたいと考える人も多いでしょう。ですが、無料で農地を手放すのはもったいないです。
この記事では、以下についてわかりやすく解説します。
管理できていない・放置している田んぼを売りたいとお考えなら、「農地売却の方法(田んぼを売るには?)」をご覧ください。農地の売却方法や税金、費用について解説しています。
無料で農地を手放すのはもったいない! その理由とは?
結論として、農地を無料で手放すのはかなりもったいないです。
農地を含め、土地という資産には価値があり「有料でもほしい」と考える人が大勢います。また、手放す前にチェックしておきたいのが農地以外の使い道です。
手放すことがもったいない理由を2つ整理しました。「無料でもいいから農地をあげます」と考えている方は、以下の選択肢を検討してみてください。
農地売却で利益を出せる
所有している農地を売却すれば、農地と引き換えにお金を得られます。もちろん土地の需要や区分によって価格や売却の条件は異なりますが、まとまった利益を得られるかもしれません。
参考として、農地売却の動き方を3つ整理しました。
農業従事者・非農業従事者に売却する
使わない農地は、自分で農業従事者(農家)・非農業従事者(事業者や個人)といった購入者を探して売却できます。売却手順を以下にまとめました。
- 農地の購入者を探す
- 売買契約を締結する
- 農業委員会に売買許可申請を提出する
- 法務局に所有権移転請求権の仮登記を申請する
- 申請許可を取得したら本登記・代金精算する
とくに重要なのが「購入者を探すこと」「申請手続きの方法を理解して動くこと」です。
まず、購入者を見つけることがスタート地点であるため、知り合いやインターネットを通じて購入者を探してください。また、必要な書類を把握しておかないと、申請を拒否される、申請に時間がかかるといった手間が発生するかもしれません。
もし農地売却の流れを詳しく学びたい方は、以下の記事がおすすめです。田んぼや畑を売る流れを詳しく説明しています。
関連記事 田んぼを売るには? 農地売却の方法
仲介業者に売却を依頼する
自身で農地売却するのが難しいと感じている方は、不動産会社といった仲介業者を通して売却するのがおすすめです。たとえば、次のようなサポートを受けられます。
- 購入者探し
- 各種手続き
- 相談
農地売却に関わるほとんどの作業をサポートしてくれるのがポイントです。ただし、仲介手数料が発生することに注意しなければなりません。参考として、宅地建物取引業法で定められている仲介手数料の上限を整理しました。
農地売却額 | 仲介手数料の上限(税抜) |
---|---|
200万円以下 | 売却額の5% |
200万円超え400万円以下 | 売却額の4%+2万円 |
400万円超え | 売却額の3%+6万円 |
売却額が大きいほど仲介手数料も膨らみ、手取り額が少なくなることに注意してください。
専門の買取業者に売却する
農地売却の手間やコストを減らしたいと考えている人は、専門の買取業者を利用して売却するのがおすすめです。たとえば、農地売却センターなら、次のサポートを無料で受けられます。
- 購入者探し
- 各種手続き
- 相談
無料で農地売却の相談ができるほか、購入者探し、手続きの代行など幅広い作業をサポートしてもらえます。無料でありながら農地売却のプロが徹底サポートしてくれるため、手軽に農地売却を完了できるのが魅力です。
【無料相談】使わない田んぼや畑の売却なら

管理できていない・放置している田んぼを売りたいとお考えなら、「農地買取センター」までお気軽にご相談ください! 処分や相続の悩みも無料で相談を受け付けております。
農地転用で別の用途に活用できる
農地が次の区分にあてはまる場合には、農地を別の用途に転用できます。
- 第2種農地
- 第3種農地
※その他区分についても例外的に許可されるケースあり
農地転用を実施すればさまざまな用途に転用できるのが魅力です。参考として、農地転用例を3つ整理しました。
農地転用の方法や手続きの流れを詳しく学びたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。転用にかかる費用も紹介しています。
関連記事 農地転用とは
また、転用できる土地・できない土地の違いを知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
関連記事 農地転用できない土地とは
農地を宅地に転用する
使わなくなった農地を転用すれば、新たに宅地として利用できます。宅地への転用は次の手順で実施します。
- 農業委員会に申請書類を届出する
- 法務局で地目変更登記を実施する
- 宅地として家を建てる
たとえば、「家を建て直す必要がある」「家族のために新しい家が必要だ」という場合に、使っていない農地があるのなら、宅地への転用を検討してみてください。
農地を駐車場に転用する
農地の近くに自宅や自営の会社があれば、農地を駐車場に転用するのもひとつの方法です。自宅の駐車場として利用できるのはもちろん、次のような目的に駐車場を活用できます。
- 社員の自動車を駐車する
- 所有する重機を駐車する
- コインパーキングを作り利益を得る
所有する農地の近くに「人気店ができた」「市街地化が進んでいる」という場合には、コインパーキングの需要が高まります。駐車場を作って利便性を良くしたい、使っていない農地から利益を生み出したいと希望しているのなら、駐車場への転用を検討してみてください。
農地を太陽光発電施設に転用する

使っていない農地から利益を生み出したいのなら、太陽光発電施設への転用をおすすめします。
太陽光発電施設を整備すれば、太陽光発電による電力の供給のほか、売電によって利益を得られるのが魅力です。近年では太陽光発電の需要が高まっており、太陽光発電投資として利益を生み出す方法を、多くの投資家が活用しています。
農地での太陽光発電について詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。転用手続きや役立つ補助金についてわかりやすく説明しています。
関連記事 農地で太陽光発電をするには?
農地を手放したいときにやるべきこと
農地を手放したい方は、スムーズに手続きを進めるために次の2点を調べたうえで動き始めてください。
農地区分を確認する
農地売却は、所有する農地の区分を問わず自由に実施できます。一方で転用は農地法で定められている農地区分によって許可・不許可が決まるのが特徴です。参考として、農地転用に影響する農地区分の違いを表にまとめました。
農地区分 | 区分概要 | 転用の許可 |
---|---|---|
農用地区域内農地 | 市町村が定める農業振興地域整備計画において、農振農用地区域の区域内にある農地のこと。農業の生産性に優れる。 | 原則不許可(例外を除く) |
甲種農地 | 市街化調整区域内にあり、良好な営農条件を備えている農地のこと。 | 原則不許可(例外を除く) |
第1種農地 | 市街化調整区域外にあり、良好な営農条件を備えている農地のこと。 | 原則不許可(例外を除く) |
第2種農地 | 市街化区域内または市街地化の傾向が著しい区域内にある農地のこと。公共施設からの距離が500m以内にある農地である。 | 一部許可 |
第3種農地 | 市街地区域内または市街地化の傾向が著しい区域内にある農地のこと。公共施設からの距離が300m以内にある農地である。 | 許可 |
所有する農地の区分によっては、転用を許可してもらえないケースがあります。まずは自身の所有する農地が、農地法のどの区分に該当するのか調べてみてください。
関連記事 農地法をわかりやすく解説
農地区分はゼンリンの農地地図で調べよう

農地区分の調べ方がわからないとお悩みなら、ゼンリンの農地地図を使った検索サービス「eMAFF農地ナビ」で調べることをおすすめします。サービスの使い方を以下に整理しました。
- eMAFF農地ナビにアクセスする
- TOPページにある「地図から探す」を選択する
- 農地のある住所をクリックする(検索欄に入力する)
- 地図上で農地の地番をクリックする
- 画面左側に表示される「基本的事項」から農地法区分をチェックする
全国の農地情報が筆ポリゴンとしてまとめられているほか、無料で地番検索できるのが魅力です。スマートフォン用のアプリも提供されているので、ぜひ検索に活用してみてください。
衛星画像等をもとに筆ごとの形状に沿って作成した農地の区画情報のことです。農林水産省が実施する耕地面積調査情報として、200m四方(北海道は400m四方)の区画に区分し、耕地が存在する約290万区画について情報がまとめられています。
農業委員会への手続き方法を調べる
農地売却・転用を実施する際には、農業委員会への申請手続きが必要です。許可を取らずに売却・転用すると次の罰則を受けてしまいます。
- 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
- 原状回復や工事停止の命令
罰金に加え、工事を進めてしまった場合には、元の農地に戻す手間が発生します。高額な出費が出るケースもあるため、必ず農業委員会への手続き方法を調べたうえで動き始めてください。
農業委員会の許可が必要な理由を詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。農業委員会から許可を得やすくする方法も解説しています。
関連記事 農地を売りたいなら農業委員会の許可が必要
農地をそのまま放置し続けるリスク
中には、農地の手放し方がわからず耕作放棄地・遊休農地にしてしまう方も多いはずです。しかし、農地をそのまま放置し続けることには4つのリスクがあります。
自分だけでなく、近隣住民に迷惑をかけるかもしれません。なぜ放置しないほうが良いか詳しく説明します。
耕作放棄地が引き起こす問題について詳しくはこちら
関連記事 耕作放棄地とは? 問題と解決策
害虫・害獣リスク
農地を放置すると、害虫や害獣の発生リスクが高まります。
たとえば、農地の生態系を崩す害虫が耕作放棄地で繁殖し、周辺農地に影響を及ぼしてしまうかもしれません。また、シカやイノシシ、アライグマといった害獣が耕作放棄地を住処にして、まわりの田んぼ・畑を荒らしてしまう場合もあります。
害虫や害獣は、農地の整備を怠るほど問題化しやすいのが特徴です。農業従事者からクレームを受けるケースもあるため、耕作放棄地にするのではなく売却や転用を検討してください。
においリスク
農地が耕作放棄地化すると、においの問題が発生するかもしれません。
例えば、植物が腐った際にどぶ臭いにおいが充満してしまうほか、風の影響で周辺家屋ににおいが届いてしまうケースもあります。また悪臭は、周辺住民への精神的なトラブルを引き起こす場合もあるため、早期解決が必要です。
特に春~夏にかけての気温が高い時期は悪臭が発生しやすいと言えます。においリスクを軽減するために草刈りを実施するか、農地売却や転用を検討するのがおすすめです。
景観阻害リスク
農地の管理をおろそかにして耕作放棄地を作ってしまうと、草木が伸び放題となり、景観阻害のリスクを引き起こします。
例えば、綺麗な田園風景に1箇所だけ荒れ放題、伸び放題の土地がある場合には、耕作放棄地だけが目立ってしまうのがネックです。また、荒れ放題の畑地が原因で、山林の景観を崩してしまう恐れがあります。
さらに市街地周辺の土地が荒れていると、周辺家屋の方たちからクレームを受けるかもしれません。周りの人たちに迷惑をかけやすい問題ですので、観光資源の維持のために維持管理を徹底することをおすすめします。
相続リスク
農地を放置し続けた場合、相続におけるリスクが発生します。
例えば、被相続人(あなた)が残した使わない農地を親族が相続した結果、手続きの手間を押し付けてしまうのがネックです。相続の際には「ひとつだけ相続しない」というように動けないため、あらかじめ処理しておかなければいらない農地の相続を避けられません。
親族への農地相続の負担をなるべくかけずに済ませたい、相続放棄による農地の国庫帰属を避けたいと考えているのなら、相続問題が起こる前に、農地売却や転用の手続きを進めておくことをおすすめします。
また、農地を相続してしまった場合の対策を知りたい方は、以下の記事がおすすめです。相続した農地の手続きや活用方法を説明しています。
関連記事 使わなくなった田んぼや畑の活用方法
空き農地を手放すときに役立つおすすめマッチングサービス・制度
使っていない農地を手放す際に役立つサービスや制度をまとめました。サービスの概要や特徴、メリットを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
農地バンク
農地バンクとは、農地の借り手、売買したい人をマッチングしてくれるサービスです。農林水産省が提供しているサービスであり、正式名称を農業中間管理機構と言います。
国が定めた制度に基づき公的機関が運営するため、安心して利用できるのが魅力です。また、農地バンクで貸付した土地は、必ず契約期間を満了したら返却されます。さらに、農地バンクを利用して得た利益は、税制優遇措置が適用されます。
個人で農地を売買できない、貸し借りできないとお悩みなら、ぜひ農地バンクを活用してみてください。
全国農地ナビ
全国農地ナビとは、農地売買に役立つ情報や所有者の個人情報を調べられる検索サービスです。前述した「eMAFF農地ナビ」というサービス名で提供されており、全国の農地の状況を調査できます。
例えば自身が所有している農地を売りたい、貸し出したい際に、全国農地ナビに登録すれば農地情報を掲載してもらえるのが特徴です。全国に情報が公開されるため、あなたの農地をチェックした人の中から、購入や借受の連絡を入れてくれる人が見つかりやすくなります。
無料で農地を手放すのはNGについてまとめ
使っていない農地の所有者は、農地売却や転用を検討するのがおすすめです。無料で手放すより多くの利益を得られることはもちろん、新たな使い道が見つかるかもしれません。
また、農地を手放す際にはあらかじめ手続き方法を調べておくことが重要です。本記事で紹介したポイントをチェックしておくだけで、いらない農地をスムーズに農地売却・転用できます。
もし農地売買で動けずにいるとお悩みなら、農地買取センターで農地売買のサポートを受けることをおすすめします。

手続きの代行や購入者探しをワンストップでサポートしているため、農地の取り扱いについてわからないことがある方は、ぜひ農地処分について無料相談を利用してみてください。
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