太陽光発電をやめた後の土地はどうすればよいのか?対処法・活用法を解説

太陽光発電をやめた後の土地はどうなる?
hikaru

太陽光発電をやめた場合、その土地はどうすればよいのか」について、以下の内容を解説します。

太陽光発電をやめた後の参考にしてください。

太陽光発電をやめた後の土地はどうなるのか

山間部のソーラーパネル

太陽光発電をやめた後の土地の扱いは以下の4通りの場合に分類されます。

太陽光発電をやめた後の土地の扱い
  1. 土地・設備を所有していた場合
  2. 土地を借りていた場合
  3. 設備を借りていた場合
  4. 土地・設備を借りていた場合

まずは、土地・設備の所有状況別に、太陽光発電をやめた後の土地の扱いを把握しておきましょう。

土地・設備を所有していた場合

土地を元から所有していたり、購入したりしており、太陽光発電設備を購入して発電をしていた場合には、太陽光発電をやめた後でも土地と設備の所有権は変わりません。

土地についてはそのまま所有する、賃貸する、売却するなどの選択肢があります。また、設備については、賃貸する、売却する、処分するなどから選ぶことになりますが、すぐに決めなければならないということはありません。

ただし、放置したままにしておいても土地や設備の価値が増えるわけではないため、何らかの活用方法を考える必要があります。

土地を借りていた場合

土地を借りて、自分で太陽光発電設備を設置していた場合には、太陽光発電をやめた時点で地主に返却するのが一般的です。

ただし土地の賃貸契約には契約期間があるため、契約期間内に太陽光発電をやめる場合には、事前に地主と相談し、土地をどうするのかを確認しておかなければなりません。

太陽光発電設備を撤去する際には、借主が費用を負担し手続きも進めます。

設備を借りていた場合

自分の所有する土地に、太陽光発電設備を業者からリースして設置している場合には、太陽光発電の契約期間終了時に業者が設備を撤去するのが一般的です。

また、PPA事業者と契約して太陽光発電設備を設置している場合には、契約内容によっては契約期間が終わった後に設備を譲り受けられます。

ただし、業者から設備を借りていた場合に注意しなければならないのは、契約期間中に業者が倒産してしまうケースがあることです。その場合には、設備の撤去を自己負担でしなければならなくなるリスクがあります。

土地・設備を借りていた場合

土地も設備も借りて太陽光発電をしていた場合には、太陽光発電をやめるときに返却しなければなりません

手元に何も残りませんが、設備の処分や土地の管理に関わらなくて済む点はメリットであるとも言えます。

太陽光発電をやめた後の土地活用の方法

太陽光発電をやめた後の土地活用の主な方法は以下の4つです。

太陽光発電をやめた後の土地活用の方法
  1. 中古の太陽光発電所として売却する
  2. 土地・設備を貸し出す
  3. 設備を撤去して太陽光発電用地として売却・貸し出す
  4. 設備を撤去する

土地や設備の状況に応じて最適な活用方法を選んでください。

中古の太陽光発電所として売却する

土地と太陽光発電設備をまとめて、中古の太陽光発電所として売却する方法があります。これまで発電・売電してきた実績があるため、買い手に対するアピールとなるでしょう。た

だし、売却するためには、設備に故障がなく問題なく稼働できる設備であることが必要です。

関連記事 太陽光発電所の売却方法と高額査定のポイント

土地・設備を貸し出す

土地と太陽光発電設備を売却するのではなく貸し出すこともできます。売却時と同様に、発電・売電実績があるため、今後の稼働状況の予想が立てやすい点が借り手にとってのメリットです。土地を所有していたい場合には、設備ごと賃貸できれば、撤去費用の負担もなくて済みます。

設備を撤去して太陽光発電用地として売却・貸し出す

太陽光発電設備を撤去してしまえば、一般の土地として売却や貸し出しができます。ただし土地が都市部にある場合には借り手が見つけられるかもしれませんが、郊外の不便な場所にあるような場合には、他の用途で使用することが難しいかもしれません。

そのため、設備を撤去した後も、太陽光発電用地として売却したり貸し出したりするほうがよいケースがあります。太陽光発電用地の買取業者に相談してみましょう。

設備を撤去する

太陽光発電設備を撤去して一般の土地として活用する場合には、貸す、売却する、自ら別の事業を始めるなどの選択肢があります。

事業としては、アパート・マンション経営なども検討できますが、立地によっては駐車場経営などが適している場合もあるでしょう。

太陽光発電をやめた後の設備の処分方法・費用

太陽光パネル 業者

太陽光発電をやめた後の設備の処分方法と費用について、それぞれ解説します。

太陽光発電設備の処分方法

太陽光発電設備を処分する際には、リサイクルできるものとできないものを分けなければなりません。太陽光パネルや架台はリサイクル可能であるため、リサイクル業者に回収してもらうことをおすすめします。

ただし、リサイクルの仕組みが確立されておらず受け入れ施設が不足しています。また産業廃棄物として処理したほうがコストが少なくて済むため、リサイクルしない人がおり、リサイクル処理が普及していません。

産業廃棄物として処分するためには、専門業者に依頼して処理してもらいましょう。

太陽光発電設備の処分費用

太陽光発電設備を処分するには、太陽光パネルの処分、設備の撤去に費用が発生します。太陽光パネルの枚数が多いほど費用は高くなります。

2022年からは、10kW以上の全ての太陽光発電所(FIT案件に限る)において、廃棄費用の積み立てが義務化されました。積み立て金額を示した表は以下のとおりです。

出典:経済産業省|太陽光発電設備の廃棄等費用積立制度について(令和3年9月17日)

上記の表に基づいて、廃棄費用の積み立て金額をシミュレーションしてみましょう。2021年度認定(調達価格11円/kWh)の容量100kWの太陽光を保有している場合の積み立て金額は、年間想定発電量を110,000kWとすると、1年間に72,600円、10年間で726,000円です。

1年間の廃棄費用の積立金額:110,000kW× 0.66円 = 72,600円

10年間の廃棄費用の積立金額:72,600円× 10 = 726,000円

なお、太陽光パネルの廃棄をお考えなら、「太陽光パネルの廃棄費用・処分方法は? 」をご覧ください。具体的な金額や、 太陽光発電設備の廃棄費用積立制度についても解説しています。

関連記事 太陽光パネルの廃棄費用・処分方法

太陽光発電をやめた後の土地に関するよくある質問

太陽光発電をやめた後の土地に関して、よくある質問と回答をまとめました。

Q
太陽光発電の土地の売買相場はいくらですか?

都市部にある土地は別にして、郊外にある太陽光発電の土地であれば、1坪5,000円~10,000円程度が売買相場であると言われています。

Q
太陽光パネルは何年で元が取れますか?

初期の設備費用を抑えるように注意して業者を選定したり、蓄電池を併用したりするなどの工夫を施せば、太陽光パネルは10年程度で元が取れます。太陽光パネルの発電効率が年々高まっていることも、設置費用回収の期間の短縮化に貢献していくでしょう。

Q
太陽光発電の土地売却のトラブルにはどのようなものがありますか?

太陽光発電の土地売却に関する主なトラブルは次の3つです。

太陽光発電の土地売却のトラブル
  1. 土地の引き渡しに時間がかかる
  2. 停止条件付売買により売買がキャンセルになる
  3. 悪質な太陽光発電事業者がいる

関連記事 太陽光発電の農地トラブル

太陽光発電をやめた後の土地 まとめ

太陽光発電をやめた後の土地は、基本的には借りていた部分は返却しますが、設備のみをリースしていたケースでは業者が設備を撤去するのが一般的です。

太陽光発電をやめた後の土地活用の方法には、中古の太陽光発電所として売却する、土地・設備を貸し出す、設備を撤去して太陽光発電用地として売却・貸し出す、設備を撤去するなどがあります。

太陽光発電設備の処分は、リサイクルできる部分はリサイクルすることが重要ですが、現実にはなかなか進んでいません。また、太陽光発電設備の廃棄費用の積立が義務化されました。

太陽光発電をやめた後の土地がどうなるのかを理解した上で、土地や設備を有効活用しましょう。 

監修
アスグリ編集部
アスグリ編集部
株式会社GRITZ
運営元である株式会社GRITZは、野立て太陽光発電所を土地取得-開発-販売まで自社で行っています。自然環境に影響が出ないように、耕作されていない農地(休耕地)に野立て建設しています。自然エネルギーの普及は、脱炭素社会を目指すうえでは欠かせません。当社のビジネスを通じて、カーボンニュートラルな地球に貢献することをミッションとしています。
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