【FIP】インバランスリスクとは? 料金の仕組みをわかりやすく解説
「FIP制度のインバランスリスクとは何のこと?」
「インバランス料金が発生する仕組みは?」
FIP制度を使って太陽光発電所を運営し、売電しようとしている方にとって「インバランスリスク」は避けて通れないものです。
しかし、インバランスリスクとは何なのかわからない方も多いでしょう。
本記事はインバランスリスクに関して、以下の内容を解説します。
そもそも「インバランス」とは?
そもそも「インバランス」とは、電力の需要量と供給量のバランスが崩れた状態です。
電力は需給を常に一致させる必要があり、大きなズレが生じると電力の安定供給が難しくなります。
最悪の場合、大規模な停電が発生し復旧に時間がかかることもあるため、インバランスを起こさないよう常に調整しなければなりません。
そこで2016年4月の電力自由化を機に広く認知されたのが「インバランス制度(計画値同時同量制度)」です。
インバランス制度により発電事業者は事前に発電量を予測して計画書を提出し、実績と一致させる義務を負っています。
FIP制度のインバランスリスクとは?
FIP制度におけるインバランスリスクとは、事前に提出した計画値と実際の発電量に差分が出て、発電事業者のコスト負担が増えるリスクです。
インバランス制度により、発電事業者は「電力広域的運営推進機関」に提出した発電計画と、実績を30分単位で一致するよう調整することが求められます。
もし発電計画と実績にズレが発生した場合、インバランス料金を負担する必要があります。インバランスには以下の2種類があります。
- 余剰インバランス
- 不足インバランス
余剰インバランスとは実際の発電量が計画より多い状態を指し、反対に不足インバランスは発電量が計画より少ない状態を指します。
太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー発電は天候の影響を受けやすいため需給予測が難しく、インバランスリスクが大きい発電方法です。
インバランスリスクがあるのはFIP制度の発電事業者
インバランスリスクが発生するのはFIP制度を適用している発電事業者です。
そのためFIP制度を適用する場合、プレミアムの一部を「バランシングコスト」として交付し、発電事業者のインバランス料金負担を軽減しています。
たとえば、2022年度には1kWhあたり1.0円のバランシングコストを交付。段階的に減額し、最終的には実際のバランシングコストに見合った金額に調整される予定です。
関連記事 FIP制度とは?
参照:再生可能エネルギーの長期安定的な大量導入と事業継続に向けて(FIP制度関係)|経済産業省
インバランス料金は誰が払う? 仕組みをわかりやすく解説

需給のインバランスが発生した場合、発電量の調整は一般送配電事業者(電力会社)の担当です。具体的には、調整力である火力発電や水力発電などを利用して過不足分を調整します。
電力の調整にかかるコストは、インバランス料金として発電事業者が支払う仕組みです。
インバランス料金の算定方法
2022年度より前のインバランス料金の算定方法は、日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格に連動していましたが、実際にかかった調整コストが反映されていない点が問題でした。
そのため2022年度からは、実際に使われた調整力の価格(調整電力の限界kWh価格)をもとに、インバランス料金が計算されるよう変更されています。
なお、インバランス料金の単価は「インバランス料金情報公表ウェブサイト」でエリアごとにリアルタイム確認できます。
参照:インバランス料金制度等について|電力・ガス取引監視等委員会事務局
インバランスリスク回避の対策方法はある?
太陽光発電の場合、発電量が天候に影響されるため、インバランスリスクが大きい発電方法です。
発電量自体のコントロールは難しいですが、インバランスリスク回避のために、料金の発生をなるべく抑える工夫はできます。
具体的な対策は以下のとおりです。
蓄電池を活用する
インバランスリスクの対策方法として、蓄電池の設置があります。
余剰電力を貯めておき、発電量が不足した際に放電するとインバランスリスクを軽減できます。
また蓄電池は、災害時の予備電源として使える点もメリットです。
関連記事 太陽光発電に蓄電池の併用は必要?
FIP制度ではなくFIT制度を利用する
FIP制度ではなくFIT制度を適用して売電し始める方法もあります。
FIP制度がインバランスの影響を受ける一方、FIT制度ではインバランス料金の負担が免除されているため、発電量を気にする必要がありません。
設備容量が50kW以上1,000kW未満ならFIT制度を選択できます。
インバランスリスクを考慮し、FIP制度ではなくFIT制度で売電するのもひとつの手段でしょう。
関連記事 固定価格買取(FIT)制度とは
自家消費に切り替える
発電した電力を売るのではなく、自家消費に切り替えるのもインバランス対策です。
売電しないのならインバランスの影響を受けないためです。
自社工場や事業所などで自家消費すれば電気料金の削減につながるのに加え、環境意識の高い企業として社会的な価値も上がるでしょう。
関連記事 太陽光発電で全量自家消費するには?
発電所を売却する
インバランスリスクを負うことが難しい場合や、他の対策が取れない場合は、発電所の売却も選択肢となるでしょう。
中古の太陽光発電所(セカンダリー)には一定の需要があり、高額で売れる可能性もあるためです。
インバランスリスクを抱えて売電を続けるより、売ったほうがよい場合もあります。
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インバランスリスクを考慮して太陽光発電所を所有しよう
インバランスリスクとは、FIP制度を適用した太陽光発電では避けられないリスクです。
ただし、蓄電池の設置や自家消費への切り替えにより、インバランス料金の発生を抑える工夫はできます。また、FIP制度ではなくFIT制度で売電を始めるのもひとつの選択肢です。
太陽光発電所を所有する際には、インバランスリスクをしっかり理解したうえで判断しましょう。

