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太陽光発電のセカンダリーとは? 中古市場の規模や利回りを解説

太陽光発電のセカンダリーとは
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「太陽光発電のセカンダリーとは何か知りたい」

「なぜ太陽光発電所の売買が増えているの?」

「太陽光発電に投資するなら新設と中古どちらがいいの?」

太陽光発電所に投資しようとした時に、新設とセカンダリーの2種類があります。

投資家・事業家のなかには太陽光発電のセカンダリー案件が何なのか、なぜ中古市場に注目が集まっているのか気になる人も多いでしょう。

本記事では、太陽光発電所のセカンダリーについて以下を解説します。

太陽光発電のセカンダリーとは

太陽光発電用ソーラーパネル

太陽光発電のセカンダリーとは、中古の太陽光発電所を指します。

2020年の制度改正により、FIT制度を利用して新設された低圧の太陽光発電所では、発電した電気の全量を売れなくなりました。

制度改正後、FIT制度を利用の低圧太陽光発電所を新設する場合、発電した電力の3割以上を自家消費する必要があります。

一方、制度改正前に設置された発電所は、従来の全量売電スキームで運用されているため、安定した収益が見込めることから、中古の太陽光発電所への注目が高まっています。

出典:経済産業省|再エネ特措法の改正等について

太陽光発電のセカンダリー市場規模

2020年時点のデータによると、太陽光発電のセカンダリー市場規模は2019年で約730MWの取引でした。

2021年度には1,210MWに達する予測が出ており、右肩上がりの成長を見せています。

引用:株式会社矢野経済研究所|太陽光発電所セカンダリー市場に関する調査を実施(2020年)

太陽光発電所の中古市場が拡大している理由は、以下のとおりです。

  • 自然災害やメンテナンスコスト増によるリスクの問題
  • 投資資金の回収フェーズに入った
  • 太陽光発電を中古で売買する場が整備された

リスクの問題や投資資金の回収を理由に太陽光発電設備を売りたい人が増加。

それにともなって太陽光発電所の買取業者や売買を仲介する企業も増え、太陽光発電所のセカンダリー市場は成熟期を迎えました。

中古の太陽光発電所売買は、今後も活発化すると予想できます。

太陽光発電が売却・中古買取される理由

中古の太陽光発電所を買いたいと思う投資家・事業者が増えた理由は以下のとおりです。

太陽光発電所の「買取」理由
  • 中古発電所の収益性が高いと判断したため
  • 利益の見通しが立てやすいため

FIT制度の売電価格は年々、下落傾向です。そのためFIT価格が高い時期に稼働開始し、一定期間まで売電価格が保証されている中古発電所に需要があります。

また、中古の発電所は過去の売電実績が確認できるため利益の見通しが立てやすく、買い手の増加につながりました。

対して、太陽光発電所が売却される理由は、以下のとおりです。

太陽光発電所の「売却」理由
  • 災害などの保有リスクがあるため
  • 事業を見直すため
  • もともと売却予定だったため
  • 現金化するため

台風や地震などで発電所が被害を受けるリスクや、メンテナンスコストの増大など保有リスクを考慮して手放す人がいます。

太陽光発電の売却が増えた理由は、投資資金の回収フェーズに入った人が急増したことが挙げられます。

また、事業の見直しや急に現金が必要になったなどの理由から、太陽光発電所を売りに出す人もいます。

関連記事 太陽光発電所の売却方法と高額査定のポイント

中古の太陽光発電の利回り

太陽光発電所の利回りには、「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。

「表面利回り」とは、ランニングコストを含めずに単純計算した収益を指します。

「実質利回り」は、メンテナンス費用や保険料などのランニングコストを含めて算出する現実的な収益です。

中古の太陽光発電所では、ソーラーパネルやパワーコンディショナー(パワコン)の状態によって維持費が変わります。

表面利回りだけでなく、実際の収支を含めた「実質利回り」を確認して取引を決めましょう。

関連記事 太陽光発電投資の利回り

太陽光発電セカンダリー物件の相場

太陽光発電セカンダリー物件の相場は一概には言えません。FIT制度の残存年数や設置エリア、敷地面積など、状況によって価格が大きく異なるためです。

以下のとおり、価格には大きな差があります。

発電所の電圧価格相場
低圧300万円〜2,000万円
高圧6,000万円〜6.5億円

太陽光発電は中古パネルのみも売買可能

土地をすでに所有している場合は、太陽光パネルだけを中古で売買して発電所を作る方法もあります。

ネットオークションサイトでも中古のパネルが販売されており、新品を買うよりも初期費用を大幅に抑えられます。

太陽光パネルの中古市場相場

中古の太陽光パネルは、一般的な170~340Wのパネル1枚あたり9,000円〜19,000円ほどで取引されます。

ただし、中古パネルは新品に比べて経年劣化で故障しやすいなど、トラブルが起こりやすい点は理解しておきましょう。

太陽光発電に投資するならセカンダリーも視野に入れよう

市場の成熟・投資資金の回収期の到来などにより、太陽光発電のセカンダリー市場は大きくなっています。

新しく太陽光発電所を作るより収益が見込める点や、利回りが計算しやすい点がメリットです。

太陽光発電への投資を検討中の投資家・事業者は、セカンダリーの発電所も視野に入れましょう。

監修
アスグリ編集部
アスグリ編集部
株式会社GRITZ
運営元である株式会社GRITZは、野立て太陽光発電所を土地取得-開発-販売まで自社で行っています。自然環境に影響が出ないように、耕作されていない農地(休耕地)に野立て建設しています。自然エネルギーの普及は、脱炭素社会を目指すうえでは欠かせません。当社のビジネスを通じて、カーボンニュートラルな地球に貢献することをミッションとしています。
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