太陽光発電

太陽光発電の普及率は? 世界ランキングや日本で普及が進む理由を解説

太陽光発電の普及率
hikaru

「太陽光発電はどれだけ普及している?」
「日本の再生可能エネルギーの導入は世界と比べて進んでいる?」

近年、カーボンニュートラル実現に向けた国の施策や技術進歩の影響もあり、太陽光発電の導入は全国的に拡大しています。2023年度のデータでは、再生可能エネルギーの中でも太陽光発電の割合が約4割を占め、国内の再エネをけん引する存在となりました。

しかし、地域ごとの普及率には差があり、家庭での導入率や都道府県別の発電量には特徴が見られます。

この記事では、日本における太陽光発電の普及状況を地域・都道府県別データから紹介し、導入が進む背景や今後の課題を詳しく解説します。

日本の太陽光発電の普及率はどれくらい?

太陽光発電

日本における太陽光発電の普及率は年々増加しています。2023年度のデータでは、太陽光発電の年間発電量の割合は、再生可能エネルギーの中で39.7%と最高です。以下に、それぞれの再生可能エネルギーの発電量と割合を示します。

再生可能エネルギーの種類発電量(PJ)再生可能エネルギーに占める割合(%)
太陽光発電(太陽熱利用)83939.7
水力発電65030.8
バイオマス発電50323.8
風力発電914.3
地熱発電291.4
出典:経済産業省 資源エネルギー庁「令和5年度(2023年度)におけるエネルギー需給実績(確報)

国もカーボンニュートラル達成をめざし、太陽光発電の導入促進策を継続して実施しています。

ここでは、日本における家庭での世帯普及の割合や、家庭・産業合わせた都道府県別の発電量を紹介します。

太陽光発電をしている世帯の割合(地域別)

2023年時点で太陽光発電システムを住宅の屋根などに導入している世帯の割合は約6.6%です。地域別では以下のような使用率となっています。  

地域使用率(%)
北海道2.3
東北8.2
関東甲信5.1
北陸4.6
東海10.3
近畿4.1
中国9.7
四国10.6
九州8.5
沖縄5.1
全国6.3
出典:環境省「令和3年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査(家庭CO2統計)

地域別では、東海・四国・中国の使用率が高くなっています。

太陽光発電の普及率の推移

住宅における太陽光発電の普及率の推移は、以下のように推移しています。

出典:e-Gov「住宅・土地統計調査
※統計方法が異なるため、前述の普及率と数値にずれがあります。

太陽光発電の普及率は、2003年には1%にも届いていませんでしたが、2023年には5%を超えています。これより、住宅における太陽光発電システムの普及は進んでいるといえます。

太陽光発電での発電量(都道府県別)

以下は、都道府県別の太陽光発電における発電量の割合です。

都道府県発電量(単位:1,000kWh)割合(%)
北海道124,0935.72
青森県59,2812.73
岩手県64,4942.97
宮城県168,0997.75
秋田県11,4190.53
山形県7,0400.32
福島県233,54910.76
茨城県147,8726.81
栃木県125,7565.79
群馬県49,6322.29
埼玉県14,0940.65
千葉県93,2164.30
東京都6840.03
神奈川県7,9500.37
新潟県22,4931.04
富山県4,9990.23
石川県30,2781.40
福井県6,5550.30
山梨県9,2370.43
長野県26,8811.24
岐阜県16,7600.77
静岡県42,9101.98
愛知県38,8171.79
三重県109,5165.05
滋賀県7,2160.33
京都府14,4540.67
大阪府17,1670.79
兵庫県85,8783.96
奈良県9,0990.42
和歌山県33,2181.53
鳥取県19,3750.89
島根県10,8340.50
岡山県126,1355.81
広島県37,0201.71
山口県75,7053.49
徳島県4,6170.21
香川県9,9370.46
愛媛県12,2040.56
高知県9,8360.45
福岡県57,3992.64
佐賀県6,9250.32
長崎県14,7350.68
熊本県47,8262.20
大分県45,6802.10
宮崎県41,9381.93
鹿児島県66,2693.05
沖縄県1,0970.05
出典:経済産業省「電力調査統計表 過去のデータ

福島県の発電量が最も多く、宮城県、茨城県と次いで高くなっています。福島県では、再生可能エネルギーの導入量が県内の電力需要を上回っており、その中でも太陽光発電の割合は8割以上を占めています。

出典:福島県「令和6(2024)年度の福島県内における再生可能エネルギー導入量について

世界の太陽光発電導入容量ランキング

出典:経済産業省 資源エネルギー庁「7.再エネ

2022年の太陽光発電導入容量の世界ランキングでは、日本は中国、アメリカに次ぐ第3位に位置しています。日本の累積設備容量は約84GWで、導入容量は世界でも上位です。

日本では、補助金や売却制度などで導入を支援していますが、海外でも太陽光発電の普及促進のためにさまざまな施策を実施しています。例として米国カリフォルニア州では、低層住宅の新築時に太陽光発電システムや蓄電池の導入を義務化しています。

こうした国や州単位の制度により、世界的に太陽光発電の導入は拡大傾向にあり、今後も導入容量は増加する見込みです。

出典:自然エネルギー財団「世界をリードするカリフォルニアの建築脱炭素政策

日本の太陽光発電量はなぜ多い?

日本の太陽光発電量が多い背景には、初期から導入を促進する補助金制度と、売電を可能にした固定価格での買い取り制度があるためです。これらの政策により、家庭や事業者が太陽光発電へ投資しやすい環境が整備されました。

1. 補助金制度があったから

日本では、1994年から住宅用の太陽光発電設備に対する補助金制度があります。この制度により、初めて太陽光発電を設置する家庭でも初期費用の負担を軽減できる環境が整いました。これにより、2000年初頭には世界トップクラスの導入実績を持ちました。

その後、一時的に補助金制度は終了しましたが、交付する機関や財団が変わりつつも継続的な支援体制が取られています。

補助金に加えて、近年は初期費用なしで太陽光発電を始められるリース契約やローン制度も利用できるようになりました。このような取り組みが、太陽光発電の普及・拡大に大きく貢献しています。

2. FITで電力を売却できたから

2012年に導入された固定価格買取制度(FIT)は、再生可能エネルギーで発電した電力を国が定める価格で一定期間、電力会社が買い取ることを義務付けた制度です。

この仕組みにより、発電した電気の売電収入を得られるため、設置によるメリットが大きくなり投資意欲が高まりました。

FITにより太陽光発電の普及が拡大し、大規模なメガソーラーから住宅用までさまざまな設備の導入が進んでいます。電気の買い取り費用は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」として国民全体で負担しています。

「日本で太陽光発電は普及しない」と言われる理由

日本で太陽光発電が普及しにくいと言われる主な理由は、初期費用とランニングコストが高額というデメリットがあるためです。これらのコスト要因が普及の障壁となっています。

1. 初期費用が高いから

太陽光発電設備の設置には、太陽光パネル本体や工事などにかかる初期費用が大きな負担となります。2023年の調査では、新築住宅における設置コストの中央値は約28.7万円/kWです。一般的に、標準的な住宅用の5kWシステムを設置すると約140万円前後となります。

出典:経済産業省 調達価格等算定委員会「令和7年度以降の調達価格等に関する意見 P18」

初期費用を抑えるには、補助金やリース制度の活用、ローン利用の方法があり、これらを利用することで自己負担なしや低負担で導入することも可能です。

たとえば、事業者が初期費用を一時的に負担し、太陽光発電の所有者は発電した電気の販売により返済する0円ソーラーという制度があります。返済が完了した後は無償で設備が譲渡される仕組みであり、初期費用が用意できない世帯でも太陽光発電することが可能です。

それでも住宅の所有者にとっては初期投資が心理的な壁となるケースが多く、普及・促進の課題となっています。

出典:環境省「0円ソーラー

2. ランニングコストがかかるから

太陽光発電システムは設置後も運転維持費が発生します。2023年の統計によれば、年間の維持管理費は1kWあたり約1,061円であり、システム規模に応じて数千円から数万円程度の維持費用が必要です。

また、定期的な点検やメンテナンス、機器の清掃、突発的な設備不良の修理に対するコストや手間も運営に伴います。特にパワーコンディショナーなどの交換時期には更なる費用が生じるため、ランニングコストは無視できません。

こうした維持管理の手間と費用も太陽光発電の導入における不安材料となっています。

出典:経済産業省 調達価格等算定委員会「令和7年度以降の調達価格等に関する意見

太陽光発電の普及率は今後も増加する見込み

日本の太陽光発電は、再生可能エネルギーの中でも最も導入が進んでおり、特に東海・四国・中国地方では家庭での普及率も高い傾向にあります。福島県では家庭用・商業用どちらでも導入が進んでおり、再生可能エネルギーの発電量が電力需要を上回るほどの実績があります。

一方で、初期費用や維持費などのコスト面の課題が普及の壁です。今後は、補助金の活用やリース制度など多様な導入形態を通じて、より多くの家庭や事業者が太陽光発電に参加できる環境づくりが期待されます。

監修
アスグリ編集部
アスグリ編集部
株式会社GRITZ
運営元である株式会社GRITZは、野立て太陽光発電所を土地取得-開発-販売まで自社で行っています。自然環境に影響が出ないように、耕作されていない農地(休耕地)に野立て建設しています。自然エネルギーの普及は、脱炭素社会を目指すうえでは欠かせません。当社のビジネスを通じて、カーボンニュートラルな地球に貢献することをミッションとしています。
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