太陽光発電

メガソーラーとは何か簡単に解説|メリット・デメリット(反対理由)も解説

メガソーラーとは
hikaru

「メガソーラーとは何を指すの?」

「メガソーラーが実は環境破壊につながるって本当?」

「メガソーラーがトラブルになった事例と成功した事例が知りたい」

メガソーラーが自宅の近くにできると聞いたら、自分たちの生活や周辺環境への影響が気になるでしょう。

メガソーラーは地域住民とトラブルになることもある一方で、うまく地域に受け入れられている例も存在します。

そこで本記事ではメガソーラーに関して以下の内容を解説します。

メガソーラーとは? 簡単に解説

メガソーラー

メガソーラーを簡単に解説すると、1MW以上の出力をもつ大規模な太陽光発電所です。

環境庁の資料によると、簡易的な計算で太陽光パネル1kWあたり8平方メートルの土地が必要とされています。

そのため、1MWのメガソーラーを設置するためには面積8,000平方メートルほどの土地が必要です。

メガソーラーを設置するには莫大な予算が必要なため、基本的に企業や自治体主導で設置します。設置場所の例は以下のとおりです。

メガソーラーの設置場所の例
  • 遊休地
  • 埋め立て地
  • 大型ビルの屋上
  • 工場・駐車場の屋根

太陽光発電協会によると、太陽光パネル1kW分の年間発電量は約1,000kWhとされています。

1MWのメガソーラーの場合、1年間の発電量は100万kWh。一般家庭約210世帯分(※)の年間電力使用量に相当します。

太陽光発電協会 表示ガイドライン(2022 年度)より、一般家庭の平均年間電力消費量を4,743kWh/年として計算

メガソーラーはなぜ増えたのか

地方ではとくに、メガソーラーを目にする機会が増えました。メガソーラーが拡大した理由は、多数の事業者が太陽光発電事業に参入したからです。

では、なぜ多数の事業者が太陽光発電事業に参入したのかというと、以下の理由が考えられます。

太陽光発電事業者が増えた理由
  • 設置場所が用意できれば比較的簡単に設置できる
  • 政府が太陽光発電を優遇した政策を取り入れている

太陽光発電事業への参入障壁の低さや国の政策が後押しとなって、メガソーラーが増えたのです。

参照:河野 仁|メガソーラーの山林・山間への設置はなぜ起きているか ―政策の問題と解決の方向―

メガソーラーのメリット

メガソーラー

近年増えてきたメガソーラーには、以下のとおりメリットがあります。

メガソーラーのメリット
  • 使っていない土地、スペースを有効活用できる
  • 事業者が売電収入を得られる
  • 発電で排出するCO2量が少ない

使っていない土地やスペースをそのままにしておくと、荒れ果ててトラブルが起こったり維持管理に費用が掛かったりします。

しかし、太陽光パネルを置けば事業者が売電収入が得られるため、使っていない土地を有効活用できます。

また、太陽光発電は再生可能エネルギーの1種で、発電時に排出するCO2量が少なく済む点もメリットです。

経済産業省の資料によると1MWのメガソーラーは1年間で662トンのCO2削減効果があるとされており、国が推進するカーボンニュトラル達成にも貢献できます。

関連記事 カーボンニュートラルとは

メガソーラーのデメリット・問題点・反対理由

山林とメガソーラー

一方で、メガソーラーにはデメリットや問題点もあり、反対されることがあります。その理由は以下のとおり。

メガソーラーのデメリット
  • 周囲の環境や生態系を変化させてしまう恐れがある
  • 景観が変化してしまう
  • 地元住民から反対されることも

パネルの設置面積を確保するために森林伐採や埋め立てで周辺環境を整えることがあり、その影響で生態系が変化してしまう可能性があります。

また、荒地や使っていない土地だとしても、自然豊かな場所に黒いパネルが敷き詰められ、周辺住民が抵抗感を示すケースも。

そのほかにも光害や騒音、防災対策への不安などから、地元住民が反対運動を起こす例も見られます。

メガソーラーの成功事例

地域の理解を得て、メガソーラーが成功した事例を2つ紹介します。

メガソーラーの成功事例

茨城県潮来市の例

茨城県潮来市では、市有地と民有地を合わせた約18ヘクタールの土地に、6万枚の太陽光パネルを設置しました。

長年活用されず維持費がかかっていた土地がメガソーラーによって有効活用され、賃借料・固定資産税・法人市民税などを合わせ、20年間で11億円の収入に。

売電で得た利益の一部は、市内の9つの小中学校に毎年寄付され、教材やソフトウエア購入費として活用されています。

参照:東京新聞|メガソーラー 塩漬けの土地が「財源」に 潮来、災害時拠点にも 笠間では土砂崩れ懸念の声も

三重県桑名郡の例

三重県桑名郡では国営の農業用地だった土地を活用し、78ヘクタールに約20万枚の太陽光パネルを設置しました。

地域住民との定期的な意見交換会や見学会を通じて、丁寧に説明。発電設備の社会見学や地元イベントへの積極的な参加など地域に密着した取り組みを実施し、地元に受け入れられています。

また、最新の点検器具を導入して点検工数を大幅に削減し、2018年度には他事業者も含めて保守点検セミナーも実施。太陽光発電設備の点検技術の向上にも貢献しました。

参照:三重県|太陽光発電施設優良事例集

メガソーラーは環境破壊につながり本末転倒?トラブル事例

メガソーラーは成功事例がある一方で、トラブルも発生しています。メガソーラーに関するトラブル事例を2つ紹介します。

メガソーラーのトラブル事例

熊本県・阿蘇山の例

熊本県の阿蘇山の南側外周に約20万枚の太陽光パネルが設置された例です。

表面の土や牧草を削り周囲の森林を伐採して太陽光パネルが設置されたため、「環境破壊ではないか?」と地元住民から疑問の声が上がりました。

因果関係は証明されていませんが、着工後に田んぼに泥水が流れ込むようになった、近くの川の環境が変わったという報告もあり、トラブルに発展しています。

参照:長周新聞|メガソーラーに侵される阿蘇外輪山

奈良県・平群町の例

奈良県平群町で進行中の、48ヘクタールの山林に約5万3,000枚のソーラーパネルを設置する計画でもトラブルが起こっています。

県は2023年に開発を許可したものの、工事現場からは2024年秋と2025年春の2度土砂崩れが発生。

地元住民の一部が防災対策の不備を理由に開発許可の取り消しを求め、裁判を起こしました。一審では訴えを退けられたものの、原告である住民側は控訴の意向を示しています。

参照:東洋経済オンライン|奈良メガソーラー造成現場で「土砂2度流出」… それでも止まらない開発の行方

メガソーラーは反対の声もあるが融和した例もある

メガソーラーは、地元住民が慣れ親しんできた景観や自然環境の変化や災害対策に対する不安から反対されることも多くあります。

一方で、遊休地の有効活用や発電時のCO2削減などのメリットも多く、メガソーラー導入で新たな地域価値を生み出した事例も存在します。

地元住民との丁寧な協議を重ねて合意形成を図り、地域の理解を得て共生の道を探りながら建設を進める姿勢が大切です。

監修
アスグリ編集部
アスグリ編集部
株式会社GRITZ
運営元である株式会社GRITZは、野立て太陽光発電所を土地取得-開発-販売まで自社で行っています。自然環境に影響が出ないように、耕作されていない農地(休耕地)に野立て建設しています。自然エネルギーの普及は、脱炭素社会を目指すうえでは欠かせません。当社のビジネスを通じて、カーボンニュートラルな地球に貢献することをミッションとしています。
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