太陽光発電

【2026年最新】太陽光発電の盗難はここまで深刻!ケーブル盗難件数・犯行手口・最新対策と法律まとめ

太陽光発電の盗難
アスグリ編集部

近年、太陽光発電(銅線ケーブル)の盗難が増加し、数百万円規模の被害が相次いでいます。

特に狙われやすいのが、

  • 郊外・山間部の無人太陽光
  • フェンスが甘い分譲型発電所
  • 高圧・太い銅ケーブルを使う施設

に該当する施設であり、太陽光発電が犯罪組織にとってATMのような存在になろうとしています。

そしてさらに深刻なのが、盗難被害を受けた際に保険でまかなえないケースが全国で多発している点です。盗難被害で泣き寝入りをするケースが増えてきました。

そこでこの記事では、以下の内容を解説します。

目次
  1. 【2026年】太陽光発電の盗難被害の最新状況について
  2. 太陽光発電ケーブル盗難の件数と最新ニュース
  3. なぜ太陽光発電の銅線盗難はここまで増えたのか
  4. ケーブル盗難の犯人は誰?外国人グループによる銅線盗難の実態
  5. 盗難されやすい太陽光発電所の特徴
  6. 太陽光発電の銅線ケーブルの盗難対策・工事
  7. 太陽光発電のケーブル盗難保険が崩壊している理由
  8. 【2025年施行】金属盗対策法で何が変わったのか
  9. 「保険があるから大丈夫」という時代ではない今、所有者ができること
  10. 太陽光発電の盗難についてよくある質問【FAQ】
  11. 太陽光発電は「守るか、手放すか」を決める時代へ

【2026年】太陽光発電の盗難被害の最新状況について

太陽光発電の盗難は、もはや「まれに起こるトラブル」ではありません。2026年現在、盗難件数が上昇したことにより、投資収益を破壊し、損失に変わるリスクがあります。

中でも課題となっているのが、盗難被害を保険でまかないにくくなっている点です。

  • 盗難補償が消える
  • 保険料が数倍になる
  • そもそも加入できない

という発電施設が急増しているため、盗まれたら保険で何とかなる時代は終わり、盗まれない対策をとらないと収益が破綻する時代に変わりました。

太陽光発電のオーナーは、盗難リスクが高まっている状況により、対策を取るか、早めに設備を売却するかの2択を迫られています。

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太陽光発電ケーブル盗難の件数と最新ニュース

太陽光発電の盗難は「感覚的に増えている」のではなく、統計や保険金支払額などのデータから増加が確認されている社会問題です。

ここでは、2026年最新ニュースとして、太陽光発電ケーブルの盗難件数や過去からの傾向を紹介します。

この章の結論
  • 盗難件数が年々増加傾向にある
    (令和6年時点で10,758件)
  • 保険金が2017年と比べて20倍に増加した

→ 保険額の増加もしくは保険金支払額の減額が予想される

公的統計と保険金支払額から見る太陽光発電ケーブル盗難件数

警察庁が公開している資料によると、太陽光発電ケーブルを含む金属盗難被害は、令和5年時点で16,276件でした。令和2年度からの傾向を見ても被害件数が増加している状況であり、検挙率も約2割と低く、再犯されやすいことが伺えます。

令和2年令和3年令和4年令和5年
認知件数5,478件7,534件10,368件16,276件
検挙件数1,032件1,904件3,338件3,226件
検挙率18.8%25.3%32.2%19.8%
出典:警察庁「第1回 金属盗対策に関する検討会 資料」

また、太陽光発電協会が実施した「JPEA/REAP被害状況アンケート(2024年11月14日公開)」によると、太陽光発電事業者49社のうち71%が被害を受けていました。ここから、盗難被害に遭う確率の高さがわかります。

そして、この被害に対する「太陽光発電設備向け火災保険(企業向け)」の保険金も増加傾向にあり、2017年と2022年を比べると20倍近い保険金が支払われている状況です。

これにより、今後の太陽光発電設備向け火災保険は、さらなる盗難被害の増加を見越し

  • 保険額の増額
  • 保険金支払額の減額

が起きると予想できます。

民間データで見る2024〜2025年の実態

太陽光発電の盗難は、ニュースとしても取り上げられる社会問題です。

日経BPが公開しているニュースによると、

など、太陽光発電の盗難被害は、規模や設置場所を問わず増加しています。

「うちは人が入りにくい場所だから」と安心しているオーナーも、確実に盗難リスクが迫っている点に注意が必要です。

なぜ太陽光発電の銅線盗難はここまで増えたのか

なぜ太陽光発電の銅線盗難はここまで増えたのか

太陽光発電(銅線ケーブル)の盗難が急増した背景として、「金属価格の高騰」×「犯罪のしやすさ」×「捕まりにくさ」が同時に成立してしまったのが理由です。

窃盗犯が、太陽光発電に注目する理由を紹介します。

この章の結論
  • 銅ケーブルの価格が10年で約3倍に
  • 全国各地に盗難されやすい条件の施設あり

→ 太陽光発電設備の価値が高額化している今、防犯対策が重要に

銅価格が10年で約3倍になったため

太陽光ケーブル盗難が、悪意のあるビジネスとして成立してしまったのは、銅価格の異常な高騰が理由です。

銅ベースの最新情報を提供している橋本興産株式会社の情報によると、ここ10年で銅の価値が約3倍まで高騰しています。

2016年2018年2020年2022年2024年2025年
年間平均価格
(千円/トン)
573.7763.9700.21,202.51,435.81,536.7
出典:橋本興産株式会社「銅ベース・銅建値変更のお知らせ(2026年1月13日時点)」

これはEV、再生可能エネルギー、半導体向け需要が世界的に爆発したためです。

たとえば、銅価格が上がると、

  • 電線1本の「換金価値」が跳ね上がる
  • 少量でも数万円〜数十万円になる
  • 廃品回収業者や闇ルートで即現金化できる

という状況が生まれます。つまり太陽光発電は、一般流通している金属のひとつから、現代のニーズにより「高級金属」へと変わったため、盗難被害を受けやすくなりました。

「太陽光ケーブル」は人目につかない最高の盗品であるため

たとえ銅が高くとも、盗みにくければ犯罪は成立しません。しかし太陽光発電の銅線ケーブルは、次のように犯罪者にとって異常なほど盗みやすい構造をしています。

  • 発電所は郊外・山林・農地跡地に多い
  • 夜間は完全に無人である
  • フェンスは低く、簡単に切断できる
  • ケーブルが地上や浅い地中に露出している
  • 騒音を出しても通報されにくい

これらの条件を満たす太陽光発電は日本各地にあり、すでに地域を問わずすべての施設が盗難のリスクをはらんでいます。

太陽光発電の位置図
出典:Electrical Japan(2026年1月13日時点)
※ピンク色が太陽光発電所の位置

また、太陽光発電の銅線ケーブルは、スクラップとして簡単に混ぜられるほか、海外に輸出すれば証拠が消えてわからなくなるのが難点です。

捜査の目が届きにくいことから、「太陽光発電を盗むのは安全で儲かる」という構造ができてしまいます。この弱点をなくさなければ、盗難被害のリスクが残り続けるでしょう。

ケーブル盗難の犯人は誰?外国人グループによる銅線盗難の実態

太陽光発電の銅線ケーブルの盗難は、決して偶発的な窃盗ではありません。

警察の摘発事例・報道・保険会社の調査などを総合すると、そのほとんどが「組織化された外国人犯罪グループ」によるものです。

ここでは、想定される犯人や盗難が起きる流れ、同じ施設が再犯されやすい理由について紹介します。

この章の結論
  • 太陽光発電の盗難は外国人による盗難がほとんど
  • 対策をしない限り何度も盗難が起きる

→ 盗難の回避方法は、セキュリティ強化 or 太陽光発電の売却

犯行はほぼ「外国人犯罪」「グループ犯罪」である

警察庁および地方警察の摘発事例を見ると、太陽光発電の銅線ケーブル盗難の犯人は、

  • ベトナム人
  • カンボジア人
  • 中国人
  • ミャンマー人

などの複数国籍の混成グループであることがわかっています。特に、生活に困窮した技能実習生や不法滞在者が犯行に加わるケースも少なくありません。

また、その手口も巧妙であり、短い時間で大量の銅線ケーブルを回収するなど、計画的な犯罪であることがほとんどです。外国にも協力者がいて、海外に流通させることでバレることなく収益を生み出しています。

住宅の空き巣と違い、太陽光発電の盗難は裏で「仕事」として回っていることから、捕まっても別のグループがすぐに補充されるなど、トカゲのしっぽ切りが続いている状況です。

盗難までの典型的なフロー

太陽光発電の銅線ケーブルが盗まれるまでには、ほぼ決まった流れがあります。
(あくまでひとつの目安です)

事前リスト化

Googleマップ等で無人太陽光発電所を事前に洗い出す

現地の下見

フェンスやカメラ、ケーブル露出を現地で確認する

夜間侵入

深夜に車両で敷地へ入り短時間で作業を開始する

ケーブル切断

油圧カッター等で高圧銅線ケーブルを一気に切断する

車両へ積載

切断した銅線を車に積み込み即時撤退する

皮膜の除去

別拠点で被覆を剥いで銅だけに加工する

転売

闇スクラップや海外ルートへ流して換金する

この7ステップを理解しておくと、「どこを潰せば盗難を止められるか」が見えてきます。

特に太陽光発電のオーナーは、STEP2~STEP3における対策で、盗難を未然に防止することが可能です。詳しくは同記事内にある「太陽光発電の銅線ケーブルの盗難対策・工事」をご覧ください。(クリックすると画面がスライドします)

同じ太陽光発電所が何度も狙われる理由

太陽光発電が一度盗難に遭ったのにもかかわらず、すぐに対策をとらないと、再び狙われる確率が極端に高くなります。なぜなら、犯罪組織の間で、

  • ここは防犯が弱い
  • 逃げやすい
  • まだ対策されていない

という情報が共有されるためです。つまり、「過去に盗難被害に遭ったけれど、保険でまかなえたため今後は安心」と考えている方は、まだ犯罪組織に狙われています。

対策を講じていない太陽光発電は何度も盗難被害に遭うため、セキュリティを強化するか、早めに太陽光発電を売却するかを検討する必要があります。

盗難されやすい太陽光発電所の特徴

盗難されやすい太陽光発電所の特徴

太陽光発電の盗難は「運が悪いから起きる」のではなく、狙われやすい構造を持った発電所が選別されているのが実態です。

犯罪グループは、事前に「侵入しやすいか」「短時間でケーブルを切れるか」「目撃されないか」
という3つの条件で発電所をふるいにかけています。

ここで紹介する8つの特徴のうち、1つでも該当すれば、早めの盗難対策が必要です。

この章の結論
  • 1回の盗難で大きく利益を出せる場所ほど狙われる
  • 人気がなく侵入しやすい場所ほど狙われる
  • 維持管理の頻度が低い場所ほど狙われる

【特徴1】夜間に人が来ない「無人立地」にある発電所

郊外・山林・農地跡地などにある太陽光発電所は、夜間に人の目が一切ないため、犯罪組織に狙われやすい傾向があります。

犯罪者にとって重要なのは捕まらないために「見られないか」です。

  • 街灯がない
  • 近隣に住宅がない
  • 車で侵入できる

といった条件が揃うと、余裕をもって大量の銅線ケーブルを盗める現場になります。

【特徴2】「高圧」発電所でケーブルが太い施設

高圧連系の太陽光発電は、ケーブル1本あたりの銅量が圧倒的に多いため、犯罪者から狙われる確率が上がります。

たとえば、兼新電機株式会社が公開している「低圧(600V CV)」「高圧(6,600V CVT)」の1m当たりの重量表を参考にすると、サイズが同じ250sq(㎟)だった場合、銅量が約4倍違うイメージです。

低圧(600V CV)高圧(6,600V CVT)
サイズ250sq(㎟)における1m当たりの重量2.63kg/m9.32kg/m
出典:橋本興産株式会社「600V CV/600CVT/6600VCVT における1m当りの重量」

少ない切断回数で大量の銅が取れるということは、すなわち「盗難効率の良い現場」になります。盗難被害に遭いやすいため、オーナーは対策を講じなければなりません。

【特徴3】ケーブルが地上配管・ハンドホール露出の発電所

銅線ケーブルが、

  • 地上配管
  • 浅いハンドホール
  • 露出ピット

にある太陽光発電は、スコップや掘削機などを使わずに簡単に切断できるため、盗難のターゲットにされやすい傾向があります。

ケーブルの周囲を強固にしていなかったり、地下深くに埋設されていなかったりする設備は、盗難耐性がほぼゼロです。対策を講じている施設よりも、盗難被害に遭う確率が高まります。

【特徴4】フェンスが低い・破られても放置されている発電所

フェンスは侵入を抑制する「心理的なバリア」であるため、

  • 低い
  • 切られている
  • 開きっぱなし
  • 錆びて壊れやすい

という状態だと、犯罪者から下見で「ここは管理されていない」と判断されてしまいます。

また、フェンスが破られたまま放置されている太陽光発電は、再犯される可能性が高いです。設置や修繕で対応する必要があります。

【特徴5】雑草・パネル汚れ・メンテナンスがされていない施設

雑草が伸び、パネルが汚れている太陽光発電は、維持管理が不足しているため、「盗難してもバレにくい」場所だと思われてしまいます。

施設やその周辺が汚れているのは、定期的に人が来ておらず、盗んでも管理者がすぐに気が付かない現場です。「管理不在でバレにくい」「盗んでもすぐに通報されない」と犯罪者から判断され、優先的に狙われる恐れがあります。

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【特徴6】複数の低圧が並ぶ「分譲型太陽光」

分譲型の太陽光発電は、複数の低圧発電所が同じ敷地や隣接エリアに並んで設置されているため、「まとめて盗難しやすい構造」をしています。

フェンスや防犯設備が共用であることが多く、どこか1区画の警備が甘いだけで全体に侵入できてしまう点が致命的です。

また、オーナーが分散しているため、異常に気づいても「誰が対応するのか」があいまいになり、通報や復旧が遅れがちになります。

【特徴7】アルミ未導入・銅ケーブルのままの発電所

近年では、銅ケーブルよりも材料費が安価な、アルミケーブルを用いた太陽光発電も増えてきました。以下のように、アルミケーブルは銅ケーブルと比べて、およそ1/3の価格です。(企業独自調査のため、あくまで目安)

アルミ
価格の目安
(千円/トン)
1,536.7
詳細はこちら
約500
出典:ニッカル商工株式会社「【速報】アルミニウム地金価格相場推移表」

そのため、現在もまだアルミケーブルを未導入の太陽光発電は、盗難被害のリスクを抱えています。

【特徴8】防犯カメラが「録画型」だけの発電所

防犯のために監視用のカメラを設置している太陽光発電も少なくありません。しかし、ただ録画をしているだけでは、盗難をほとんど防げないのが実情です。なぜなら、

  • 確認が遅れて犯人に逃走される
  • 顔や車両番号が隠されて確認できない

など、フードやマスク、ナンバープレートの取り外しといった細工をしたうえで犯行に及ぶことが理由です。

つまり、録画型カメラはあくまで抑止力としてしか機能しません。本当に効果があるのは、音声警告やライト点灯、遠隔通報など、侵入した瞬間に犯行を止める仕組みです。

太陽光発電の銅線ケーブルの盗難対策・工事

太陽光発電の銅線ケーブルの盗難対策・工事

太陽光発電の盗難対策は、「カメラを付ければ終わり」ではありません。本当に効果を期待できるのは、犯罪者のビジネスモデルそのものを壊す設計変更です。

ここでは、太陽光発電協会が公開している「ケーブル盗難対応」の情報などを参考に、具体的な盗難対策や施工・工事方法を紹介します。

この章の結論
  • 換金価値が低い施設ほど狙われにくい
  • 盗難に時間がかかる施設ほど狙われにくい

→ 対策は、ひとつよりも複数を組み合わせることで強固に

【対策1】太陽光の銅線盗難を防ぐためアルミケーブルに切り替える

銅ケーブルをアルミケーブルに切り替えれば、換金価値が下がり盗難被害に遭いにくい太陽光発電施設に変えられます。

アルミは銅と違い、スクラップ価格が高騰しづらいため、犯罪者にとって「盗んでも割に合わない」素材です。

実際に、日経BPのニュースでも、盗難抑制のためにアルミケーブルの採用が普及していると紹介されています。(参考:日経BP『盗難の抑制に「アルミ電線」、メガソーラーで採用拡大』

【対策2】地下埋設とコンクリート封印(ハンドホール)を検討する

太陽光発電のケーブルについて、

  • 地下深くに埋設する
  • ハンドホールをコンクリートで封印する

といった工事をすることで、盗難までの時間が長く、騒音が出やすい現場に変えられます。

目撃リスクが上がるため、「掘らなければ盗めない構造」にすることが最大の抑止力です。

【対策3】フェンス・バリカー・車両遮断の対策を取る

太陽光発電の盗難の多くは、車両で敷地内に侵入できることが前提になっているため、

  • 高強度フェンス
  • 車止め(バリカー)
  • 大型石・コンクリートブロック

など、車が近づけない構造にすることが対策につながります。

銅線ケーブルは高重量であることから、近くに車両がなければ運べません。移動手段を失わせることで盗難を断念させることが可能です。

【対策4】攻撃型防犯カメラ(音声威嚇)を設置する

太陽光発電の施設に防犯カメラを設置する際には、ただ録画機能があるカメラではなく、

  • 大音量で警告する
  • サイレン・警報が鳴る
  • 強力なライトが点灯する

といった人の動きを検知できる人感センサー付きの攻撃型の機能を持つ製品やシステムを設置しましょう。窃盗団はバレたと判断して即撤退します。

【対策5】多言語看板を設置する

太陽光発電の盗難は外国人グループによる犯罪が多い傾向であるため、

  • 監視中
  • 通報済
  • 警察と連携

などの情報がまとまった「多言語看板」を設置することが抑止につながります。

たとえ手口は巧妙でも、実行する犯罪者のほとんどは技術を持たない素人です。その国の言語で警告するだけでも、「ここはリスクが高い」と判断して別の発電所へ移動します。

太陽光発電のケーブル盗難保険が崩壊している理由

これまで太陽光発電の盗難リスクは、「保険に入っていればカバーできる」と考えられていました。しかし2026年現在、その前提が崩れてきている状況です。

結論として、今後の太陽光発電向け火災保険では、盗難の補償を受けにくくなる可能性があります。

ここで紹介する保険崩壊の理由を見て、今後の対応を考えていきましょう。

この章の結論
  • 盗難被害の増加により保険ビジネスが成り立たなくなっている
  • 「保険料の徴収<補償」という構造ができつつある

→ 今後は、盗難防止工事をするか、売却で対応するのが理想

【理由1】一部エリア限定だったリスクが「全国」に拡大した

太陽光発電の盗難被害は、これまで関東エリア中心で発生していましたが、犯罪が組織化した今、すでに全国区にまで被害が拡大しています。

時期地域盗難事例
令和4年1月福島県約2,400m(被害額約1,200万円)
令和4年12月山梨県約1,500m(被害額約1,900万円)
令和5年6月千葉県約5,000m(被害額約1,000万円)
令和6年3月三重県約1,600m(被害額約750万円)
令和6年4月山形県約4,500m(被害額約1,900万円)
令和6年8月滋賀県約1,200m(被害額約510万円)
出典:警察庁「第1回 金属盗対策に関する検討会 資料」

特に、2023年以降は中部・関西・東北まで被害が拡大し、全国どこでも盗難が起きる状態になっています。

この結果、「地域でリスクを分散する」という保険の仕組みが機能しにくくなりました。

【理由2】盗難1件あたりの「復旧コスト」が跳ね上がった

銅ケーブルの盗難は、単に線が切られるだけではありません。

  • 高圧設備の安全確認
  • 掘削工事
  • 再配線
  • 試運転

などが復旧工事で必要となり、数百万円の費用コストに加え、数か月の売電停止になるケースもあります。そのため、盗難は保険会社にとって「小額を多数」ではなく「高額を何度も」支払うリスク商品になりました。

もし、「何度も盗難に遭っている」「保険が更新できないと言われた」「対策費用が回収できない」という状態なら、太陽光発電を守り続けるより売却するほうが合理的なケースもあります。

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【2025年施行】金属盗対策法で何が変わったのか

太陽光発電のオーナーが把握しておきたい情報として、2025年に施行された金属盗対策法(令和7年法律第75号)により、金属盗難を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。

太陽光発電の盗難との関係性が高いポイントを整理しました。

  • 業者(特定金属くず買受業)への規制が強化される
    →本人確認・記録・通報により闇換金ルートが塞がれる
  • ケーブル切断に使われる工具の隠匿携帯が違法化される
    →正当な理由なく隠して携帯すると処罰対象になる

これにより、国内で換金できないほか、海外転売にも足がつきやすい構造へと変わろうとしています。

ただし、法律だけで盗難がゼロになるわけではありません。「狙われない設備構造」と併用して初めて防犯効果が最大化します。

「保険があるから大丈夫」という時代ではない今、所有者ができること

結論から言えば、太陽光発電オーナーが今取れる選択肢は「本気で守る」か「リスクを確定させて手放す」かの2択に変わっています。

比較項目自己対策で守る売却してリスクから離脱する
初期コスト数十万〜数百万円
(アルミ化・埋設・防犯工事)
0円(むしろ売却益が入る)
盗難リスク大幅に低下するがゼロにはならない完全にゼロになる
売電収入継続して得られる
(買取額の下落に注意)
受け取れなくなる
向いている人長期運用したい人リスクを切りたい人

なお、FIT制度による売電価格が下落し続ける今、対策や維持管理、保険料にかかるコストを考慮すると、思うように収益を期待できにくくなるケースも出てきています。

保険でカバーする時代はすでに終わり、盗難リスクはオーナー自身が背負う時代に入っていることから、長期的な収益や節税対策が難しいと感じた際には、売却を検討するのもひとつの手です。

太陽光発電の盗難についてよくある質問【FAQ】

Q
太陽光発電はやめたほうがいい?

すべての太陽光発電が危険なわけではありませんが、盗難対策や保険が機能していない発電所は高リスク資産になっています。立地・設備・管理体制によっては、守るより売却した方が合理的な場合もあるため、まずは自分の発電所のリスクを把握することが重要です。

関連記事 太陽光発電はやめたほうがいい?

Q
太陽光発電をアルミケーブルに変えるデメリットは?

アルミは銅より電気抵抗が高いため、太さや接続設計を誤ると発電ロスや発熱リスクがあります。ただし専門業者が設計すれば問題なく、安全性の確保も可能です。盗難リスクを大幅に下げられる点を考えると、有力な選択肢となるでしょう。

太陽光発電は「守るか、手放すか」を決める時代へ

太陽光発電の盗難は、もはや一部の不運なオーナーの問題ではなく、誰にでも起こりうる経営リスクになりました。

2025年の金属盗対策法で環境は少し改善されましたが、法律だけで太陽光発電が守られるわけではありません。オーナーに残された選択肢は2つです。

  • 盗難対策で発電所を「狙われない構造」に作り替える
  • 価値が残っているうちに売却し、リスクごと手放す

どちらが正解かは、発電所の立地、過去の被害、保険状況、残りのFIT期間によって変わります。もし費用対効果を見込めない場合は、発電所やソーラーパネルの売却も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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監修
アスグリ編集部
アスグリ編集部
株式会社GRITZ
運営元である株式会社GRITZは、野立て太陽光発電所を土地取得-開発-販売まで自社で行っています。自然環境に影響が出ないように、耕作されていない農地(休耕地)に野立て建設しています。自然エネルギーの普及は、脱炭素社会を目指すうえでは欠かせません。当社のビジネスを通じて、カーボンニュートラルな地球に貢献することをミッションとしています。
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