太陽光発電

【2026年最新】太陽光の点検・メンテナンスは義務化済み!罰則・FIT取消・10kW未満の扱いまで解説

太陽光 点検・メンテナンス 義務化
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近年、太陽光発電設備の点検・メンテナンス不足による事故やトラブルが全国で問題視されています。これを受け、国は2017年施行の改正FIT法により、設置後の点検・メンテナンスを義務化しました。

そのため、定期的に実施すべき点検やメンテナンスを怠ると、

  • 行政からの指導・助言
  • 行政からの改善命令
  • FIT認定の取り消し・売電停止
  • 罰金(最大300万円)の対象となる可能性

といった、義務違反に対する重い措置を受ける可能性があります。

そこでこの記事では、所有者(オーナー)がすぐに「対象か否か」を判断できるよう、以下の内容を解説します。

太陽光の点検・メンテナンスは法律で義務化されている【罰則あり】

太陽光の点検・メンテナンスは法律で義務化されている

結論から言うと、太陽光発電の点検・メンテナンスは、2017年に改正された再エネ特措法(FIT法)のなかで明確に義務化されています。

経済産業省・資源エネルギー庁が公開している「改正FIT法による制度改正について(平成29年3月)」の資料にも義務化の内容がまとめられており、太陽光発電施設の所有者は、

  • 適切に保守点検・維持管理の体制を整備し実行する
  • 関係法令・条例を遵守する
  • 違反した場合は、指導・改善命令・認定取消の対象となる

などを遵守する必要があります。点検・メンテナンスを行わない場合、事業計画違反と判断される可能性がある点に注意してください。

なお、点検の時期や目的は「太陽光発電システム保守点検ガイドライン(2019年12月27日改訂)」のなかで、以下のように設定されており、専門技術者が太陽光発電施設の状況をくまなくチェックしなければなりません。

点検時期・頻度推奨実施者点検の目的・ポイント
設置1年目点検専門技術者初期不良・施工不良の有無を確認する
設置5年目点検機器・部材の劣化や破損を確認する
設置9年目以降(4年ごと)劣化状況を確認する、また消耗部品の交換、更新時期を検討する
設置20年目以降(4年ごと)老朽化を確認する、また設備更新について判断する
日常点検(毎月1回程度)所有者・専門技術者目視による異常確認を行う(破損・傾き・配線など)

そのため、所有者(オーナー)はルールに則り、継続的に点検・メンテナンスを実施することが求められます。

点検とメンテナンスの違い

太陽光発電では、「点検」と「メンテナンス(保守)」が混同されがちですが、法律・ガイドライン上は、以下の比較表のように役割が異なります。

項目点検メンテナンス
(保守・維持管理)
目的設備の状態を確認する不具合・劣化を是正・改善する
主な内容目視確認、測定、異常の有無チェック補修、部品交換、調整、清掃など
注意点点検だけでは義務を果たしたとは言えない点検結果に基づき実施しないと違反リスク

つまり、点検して終わりではなく、メンテナンスまで行って初めて義務を果たしたことになる点に注意が必要です。

なお、点検・メンテナンスの実施有無は定期報告の際に経済産業省の「再生可能エネルギー電子申請」のポータルサイトを通じて提出するのが一般的です。提出しなければ義務違反とみなされ、罰則(認定取消し等)を受ける可能性があります。

太陽光は10kW未満でも点検義務がある?

住宅や工場の屋根などで利用される事業用ではない10kW未満の太陽光発電であっても、点検・メンテナンスを実施する義務が設けられています。

2017年4月の改正FIT法施行前までは、点検義務の対象は50kW以上の産業用太陽光発電に限られていました。しかし施行後は、FIT制度による売電を利用している50kW未満の小規模な太陽光発電にも義務が拡大されています。

そのため、「10kW未満の小規模な太陽光だから安心」と考えるのは危険です。50kW以上はもちろん、50kW未満であってもFIT制度を利用している所有者には点検義務がある点に注意してください。

太陽光のメンテナンスが義務化された3つの理由

太陽光発電の点検・メンテナンスが義務化されたのは、単なる規制強化ではなく、事故の増加や設備放置といった、太陽光発電の普及に伴う実際の問題が背景にあります。

ここでは、資源エネルギー庁の「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」などにも記載されている情報を参考に、国が義務化に踏み切った3つの理由を紹介します。

この章の結論

太陽光の点検・メンテナンスが必要なのは、

  • 維持管理不足で火災や感電を起こさないため
  • 放置による二次的な問題を起こさないため
  • 国民の再エネ賦課金が原資となるFIT制度を長く続けるため

事故・火災・感電リスクが実際に増加しているため

現在、太陽光発電設備による感電事故や二次災害のリスクが、国が公式に警鐘を鳴らすレベルで顕在化しています。

日本損害保険協会が公開する「太陽光発電設備向け火災保険(企業向け)の事故発生状況等に関する調査研究結果(2024年2月)」によると、事業用太陽光発電施設の事故に伴う保険支払い件数が増加傾向(2021年度は4年前と比べて約4倍)にあることがわかっています。

また、経済産業省が「太陽電池発電設備による感電事故防止について」の資料でも注意喚起をしている通り、太陽光パネルは浸水・破損した状態でも発電を続ける可能性がある設備です。

特に、老朽化や劣化の激しい施設や設備ほど、台風・豪雨・地震などの災害の影響を受けやすく、

  • 破損したソーラーパネル・パワーコンディショナー
  • 水没して故障した配線・ケーブル
  • 露出した接続部
  • 経年劣化で寿命を迎えた設備

など、複数の要因により感電事故が発生する危険性があります。そのため「継続的な点検と管理を前提とする電気設備である」という考え方にもとづき、点検・メンテナンスの義務化を進めました。

また、太陽光パネルの火災リスクについて詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。

関連記事 太陽光パネルから火災が起きる原因

設置後に放置される太陽光設備を防ぐため

近年、設置後に放置される太陽光発電設備が全国で増えていることも理由です。

FIT制度の普及により太陽光発電は急速に拡大しましたが、その一方で「FIT終了後の売電価格低下による撤退」「運営するための資金不足」などにより、今後、放置される発電所が増加すると予想されます。

実際、資源エネルギー庁が公開しているゴミ・廃棄物問題の記事でも、将来的な廃棄・リサイクルの費用を確保に関する質問に対し、低圧太陽光発電で74%、高圧太陽光発電で59%の事業者が費用を積み立てていないと回答し、放置リスクが高いと判断できる状況です。

そして、太陽光が放置されると、

  • 周辺住民への安全リスク
  • 景観・環境悪化
  • 災害時の二次被害

を引き起こす可能性もあります。そのため国は、「太陽光発電を設置後も責任を持って管理する施設」であるとし、FIT制度を利用する所有者への点検・メンテナンスの義務を課したと言われています。

国民負担で成り立つFIT制度の信頼性を守るため(税金・賦課金)

FIT制度は、その費用を実質的な税金である「再エネ賦課金」によりまかなわれているため、制度の信用維持のために点検・メンテナンスを所有者に課していると言われています。

FIT制度の原資は、国民の電気料金に上乗せされる再エネ賦課金です。にもかかわらず、

  • 適切な点検をしない
  • 安全性を確保しない
  • 発電設備を放置する

といった事業が横行すれば、制度自体の信頼が失われてしまうでしょう。

そのため国は、「国民負担で支えられる以上、事業者は安全・安定運用の責任を果たすべき」という考え方のもと、点検・メンテナンスを義務付けたと考えられます。

関連記事 再エネ賦課金とは?

太陽光の点検・メンテナンスが義務化された根拠(経済産業省・太陽光発電協会)

太陽光発電の点検・メンテナンスの義務は、法律と公式ガイドラインにもとづく明確なルールです。ここでは、義務化の根拠となる3つの法令・ルールを整理し、「なぜ守らなければならないのか」を解説します。

この章の結論
  • 再エネ特措法(FIT法)|FIT制度に関する法律
  • 電気事業法|発電施設の取り扱い関する法律
  • 太陽光発電システム保守点検ガイドライン|点検やメンテナンスのルール

再エネ特措法(FIT法)|認定事業者の保守・管理義務

FIT制度の認定を受けた太陽光発電設備は、規模を問わず保守・管理義務があります。そのFIT制度に関わるのが「再エネ特措法(FIT法)」です。

この法律は、FIT制度を適用するための認定条件など(第9条~第15条)についてまとめられており、その具体的な実施方法がまとめられている「施行規則」にて、発電設備を適切に点検・メンテナンスに関する資料などの情報が記載されています。

電気事業法|技術基準・安全確保義務

太陽光発電設備は、売電の有無にかかわらず「電気事業法」にもとづく安全確保義務の対象です。

この法律では、感電・火災などの事故を防止するため、電気設備を技術基準に適合した状態で維持することが、設置者・管理者の責務とされています。たとえば、同法の「施行規則」にある第50条 保安規程には、工作物の点検や検査の実施について明記されているのが特徴です。

太陽光発電システム保守点検ガイドライン|義務内容の具体的基準

法律だけでは点検内容がわかりにくいため、実務上の基準として用いられているのが、経済産業省や太陽光発電協会が公表している「太陽光発電システム保守点検ガイドライン(2019年12月27日改訂版)」です。

当ガイドラインでは、点検に関する

  • 頻度
  • 項目
  • 専門技術者が対応すべき範囲

などが具体的に整理されています。

太陽光発電の点検手順や試験の内容、部品1つひとつのチェックポイントなどがまとめられており、所有者はもちろん、点検者のマニュアルとして活用が可能です。

太陽光メンテナンスを怠ることで起こる事業者への罰則・リスク

太陽光の点検・メンテナンスを怠ると起こる罰則・リスク

太陽光発電の点検・メンテナンスを怠った場合、単に「注意されるだけ」で終わるわけではありません。

状況に応じて、行政指導からFIT認定取消、金銭的な罰則まで段階的にリスクが拡大します。ここでは代表的な3つの措置を整理します。

この章の結論
  • 再エネ特措法(FIT法)
    義務違反 → 指導・助言 → 改善命令 → FIT認定取り消し・売電停止
  • 電気事業法
    義務違反 → 修理・改造・移転 or 使用停止・使用制限の命令 → 罰金

指導・助言・改善命令

太陽光の点検・メンテナンス義務に違反した場合、まず再エネ特措法(FIT法)第12条にもとづく指導・助言が行われ、それでも改善されないケースは、第13条の改善命令へと進みます。

改善命令には法的拘束力があり、従わなければ重い処分につながる点に注意が必要です。

FIT認定取消・売電停止(最も重い)

指導・改善命令に従わず義務違反が是正されない場合、最終的にFIT認定の取消や売電停止(第15条)が行われる可能性があります。

認定が取消されると固定価格での売電は即終了し、発電事業そのものを継続できません。点検義務の放置は、売電収入だけでなく事業計画全体を失うリスクにつながります。

罰金(最大300万円)の可能性

再エネ特措法とは別に、電気事業法では最大300万円以下の罰金(第118条)が定められています。

太陽光発電設備が技術基準に適合していないと判断され、修理・使用停止などの命令(第40条)に従わなかった場合に科されるものです。段階的な措置はあるものの、無視すると高額な金銭的負担を伴います。

ここまで読んで、「義務は理解できたが、この先も管理を続けられるか不安」と感じた方もいるかもしれません。太陽光発電は、点検や維持管理を継続的に行うことが前提の設備です。負担が大きい場合は、無理に保有を続けるのではなく、早い段階で売却を検討する事業者も増えています。

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信頼できる太陽光の点検・メンテナンス業者の選び方

太陽光発電の点検・メンテナンスは、専門的でわかりにくいため、「どこに頼んでも同じ」と誤解されがちです。ですが実際には、業者によって点検の質・法令理解・報告書の精度に大きな差があります。

そのため、点検やメンテナンスを依頼する際には、

  • 有資格者が在籍しているか(電気工事士、太陽光関連資格など)
  • FIT法・電気事業法・ガイドラインへの理解があるか
  • 点検内容が明確か(目視+電気測定を実施しているか)
  • 写真付きの点検報告書を提出しているか
  • 見積書に作業範囲と費用内訳が明記されているか
  • 施工後も継続対応できる体制があるか
  • 強引な契約や即決を迫らないか

を満たす業者を優先的に選ぶことが大切です。これらを満たさない業者は、形式的な点検や法令不備につながる恐れがあります。

また、太陽光発電の点検・メンテナンス業者のなかには、高額請求や不十分な作業を行う業者も存在します。「資格を取得しているか」「実績があるか」「強引な契約をしてこないか」などを確認しつつ信頼できる業者かを見極めましょう。

太陽光発電オーナーが今すぐ確認すべき3つのポイント

太陽光発電オーナーが今すぐ確認すべき3つのポイント

太陽光発電をこの先も安全・合法的に運用していくためには、「発電しているか」だけでなく、「管理できているか」「続けられるか」「他の選択肢を知っているか」を冷静に確認することが重要です。

特に次の3点は、すべての所有者(オーナー)が一度立ち止まって見直すべきポイントになります。

  • 点検・メンテナンスの義務を守れているか
  • 維持管理コストが収益を圧迫せず、今後も運用できるか
  • 維持管理が難しい場合に、売却して負担を手放すことも視野に入れているか

点検・メンテナンスは一度きりの対応ではなく、今後も継続的に発生する義務とコストです。そのため、点検・メンテナンスの義務を十分に果たせず、維持管理コストの負担が大きくなっている状態で運用を続けると、法的リスクや想定外の出費が重なります。

そのような場合は、無理に保有を続けるのではなく、早めに売却という選択肢を検討することも大切です。将来的な損失やリスクを抑えるメリットがあります。

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監修
アスグリ編集部
アスグリ編集部
株式会社GRITZ
運営元である株式会社GRITZは、野立て太陽光発電所を土地取得-開発-販売まで自社で行っています。自然環境に影響が出ないように、耕作されていない農地(休耕地)に野立て建設しています。自然エネルギーの普及は、脱炭素社会を目指すうえでは欠かせません。当社のビジネスを通じて、カーボンニュートラルな地球に貢献することをミッションとしています。
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