農地バンクとは? 2025年4月からの変更点や利用するメリットを解説
農地バンクを通じて農地を貸し出すことで、税制上の優遇が受けられ、管理の手間がなくなることはご存じでしょうか。
農地バンクとは、農地の貸借や売買を仲介する公的な機関です。
本記事では、農地バンクの概要やメリット、受けられる税制上の優遇などを解説します。耕作放棄地の活用方法や処分方法にお困りの方は、参考にしてください。
【無料相談】使わない田んぼや畑の売却なら

管理できていない・放置している田んぼを売りたいとお考えなら、「農地買取センター」までお気軽にご相談ください! 処分や相続の悩みも無料で相談を受け付けております。
管理できていない・放置している田んぼを売りたいとお考えなら、「農地売却の方法(田んぼを売るには?)」をご覧ください。農地の売却方法や税金、費用について解説しています。
農地バンクとは?

農地バンク(農地中間管理機構)とは、簡単にいうと都道府県や市町村などが出資して組織された公的な機関です。農地中間管理事業の推進に関する法律(農地バンク法)によって、農地中間管理機構の指定方法や、農地中間管理事業の実施方法などが定められています。
農地バンクは、貸し手から農地をいったん預かり、意欲ある担い手にまとめて貸し出す仲介役を担い、耕作放棄地の解消・農業経営の規模拡大を図っています。
農地の貸借のほか、売買の仲介や集約の円滑化も農地バンクの役割です。農地バンクは、農地の貸借や売却を通して担い手に農地を集積し、農地の有効活用と調整を同時に進めています。
農地バンクは農地の貸借を仲介する
農地バンクの契約は「転貸」方式で、所有者と基本的に10年以上の賃貸借契約を結び、そのままの条件で借り手に貸し出します。
手数料・利用料は国と自治体が負担するため無料の地域もありますが、手数料(福島県新地町の場合、下限800円、上限8,000円/年)を徴収する地域もあります。
農地バンクを活用すると協力金・奨励金が得られる
農地バンクを通じて地域ぐるみで貸借を進めると、国から協力金・奨励金が交付されます。農地バンクの活用により得られる協力金・奨励金は以下の2つです。
- 地域集積協力金
- 集約化奨励金
農地バンクへの貸付面積が地域農地の80%(中⼭間地域は60%)以上であれば「地域集積協力金」として最大1,008万円が地域に支給されます。また、一定以上の団地化を達成すると「集約化奨励金」として最大810万円が交付されます。
貸付や団地は地域単位で確認されるため、個人で協力金・奨励金をもらうことはできません。地域と相談しながら、農地バンクの活用を検討してください。
農地バンク制度が変わったのはいつから? 2025年4月からの変更点
2025年4月1日から農地バンクの制度が変わりました。主な変更点は、貸借の方法です。
変更の背景として、2023年4月施行の改正農業経営基盤強化促進法により、市町村が作成する「地域計画」と「目標地図」に沿って農地が集約される方針となりました。
これにより、現状の農地の貸借は、市町村の「利用権設定事業」ではなく、農地バンクを経由する手続きが原則となります。
農地の貸借を考えている方は、農地バンク経由で行うようにしてください。
農地バンクを利用する5つのメリット

農地バンクを利用することで、以下のメリットが受けられます。
- 賃料を確実に受け取れる
- 税制上の優遇を受けられる
- 管理の手間が軽減する
- 契約やトラブル時にサポートを受けられる
- 耕作放棄地を活用できる
1. 賃料を確実に受け取れる
農地バンクに貸した農地の賃料は、所有者へ確実に振り込まれます。賃料は、1年のうち決まった日付に振り込まれるため、収支の計画も立てやすくなります。農地バンクを経由して貸し出した農地の賃料は、11月・12月に支払われることが多いです。
金銭的なトラブルで揉めるリスクがないため、安心して貸し出すことが可能です。
また、一般的に、借り手は原状回復義務を負うため、農地は貸した状態で返還されます。使用していない土地を貸し出すことで、管理の手間が省けるのも大きなメリットです。
2. 税制上の優遇を受けられる
農地バンクを通して農地を貸し出すことで、税制上の優遇が受けられます。たとえば固定資産税は、農地を10年以上貸し付ければ3年間、15年以上なら5年間、半額に軽減されます。
また、農地バンクを通して農地を売却すれば、最大1,500万円の譲渡所得控除を受けることが可能です。
借り手も、農地バンクを通じて農地を借り受ける場合、登録免許税及び不動産取得税を減額できる措置があります。
出典:農林水産省「譲渡所得の特別控除の特例」
農地バンクを利用すれば、貸借・売却によって利益を得ながら税金上の優遇も受けられるため、経済的に大きなメリットが得られます。
3. 管理の手間が軽減する
管理業務は、貸付けが成立した時点から機構が担います。貸付けの期間中は、草刈りや水路清掃などの管理の手間が省けます。
先述の通り、借り手は通常、原状回復義務を負うため、貸した土地が荒れた状態で返還され、補償もないという心配もいりません。使わない農地の貸し出しは、賃料を得られるうえに管理の手間も省けるというメリットがあります。
4. 契約やトラブル時にサポートを受けられる
農地バンクを利用すると、契約書の作成・賃料の交渉・相続発生時の名義変更・借り手の募集などの面倒な手続きを、農地相談員(現地コーディネーター)がサポートしてくれます。
農地バンクを介した貸借・売買は、さまざまな法律や制度が絡むため、人によっては難しいと感じる人もいるかもしれません。農地相談員のサポートを受ければ、税制上の優遇も漏らさず受けられるようになります。
ほかにも、借り手との間でトラブルが生じた際は、農地相談員が解決策を提示して早期解決を図ります。当事者と直接話をする必要がないため、トラブルがあった際にも安心です。
参考:農林水産省「農地バンクが変わります」
5. 耕作放棄地を活用できる

耕作していない農地を貸し付けることで、利益を生む土地として有効活用できます。今後、利用する予定がない場合は、農地バンクを通じて貸し出したほうが経済的なメリットを得られます。
また、草刈りや水路管理の負担に悩んでいる場合にも、貸出は有効です。農地バンクを通して貸し付ければ、日常管理の責任は機構と借り手に移ります。
草刈りにかけていた時間や費用が不要になるうえ、賃料で利益が得られます。貸出は、遠方に住む方や管理の時間が取れない所有者におすすめの活用方法です。
関連記事 耕作放棄地とは? 問題と解決策
農地バンクを利用する3つのデメリット
農地バンクで失敗しないためには、以下のようなデメリットや問題点を把握する必要があります。
- 貸借期間が長い
- 中途解約が難しい
- 借り手が見つかるまで管理が必要
1. 貸借期間が長い
農地バンクは地域計画を見据えて借り上げるため、10年以上の契約が一般的です。固定資産税の軽減や協力金は10年以上の長期貸付が前提で、短期契約ではメリットが薄くなります。
途中で「住宅用地に転用したい」「近い将来子どもに相続させて耕作を再開したい」と考えている場合は、農地バンクの貸し出しはおすすめしません。地域計画を踏まえた長期的な安定利用を重視する特性があるため、期間満了まで返却されない点を事前に理解する必要があります。
2. 中途解約が難しい
契約中に土地を返してほしいと思っても、貸し手と借り手の合意がなければ解約できません。農地バンクは、借り手の都合や地域計画を踏まえて借り上げるため、正当な理由がない一方的な契約の解除は認められません。
解約手続きを進める場合でも、農業委員会への届け出や知事の許可が必要です。さらに、協力金は返還の対象となるため、経済的なメリットが受けられなくなります。
損をしないためにも、契約前に10年以上先の将来設計をしたうえで貸し出しましょう。
3. 借り手が見つかるまで管理が必要
農地バンクへ申し込んだからといって、必ずしも直ちに借り手が決まるわけではありません。立地や規模が借り手の条件と合わなければ、マッチングに時間がかかります。借り手が決まるまでの間は、所有者が草刈りや水路の清掃などの管理を続ける必要があります。
機構の簡易整備は借り手が決定してから行われるため、借り手が決まるまでの管理費や労力は自己負担です。雑草対策を怠れば近隣から苦情が出る可能性もあるため「すぐに管理の負担をゼロにしたい」と考える方は、貸付よりも売却や相続放棄などの選択肢を検討したほうがよいでしょう。
農地バンクへの売却も可能ですが、手厚いサポートを受けたい方は、農地売却を専門とする民間企業に依頼するのも一つの方法です。
「農地買取センター」は、手数料無料で、登記・農転手続きなどの農地売却をサポートします。

概算見積もりは無料かつ最短即日で行っておりますので、農地の価値が気になる方や、手厚いサポートを受けたい方はお気軽にお問い合わせください。
無料で相談可能です
※関東エリア、福島県、宮城県限定
※買取する農地の区分は、第2種・第3種農地に限ります
土地を貸したい・売りたい人は農地バンクへ相談
農地バンクは、農地の貸借や売買時に利用できる公的な機関です。農地バンクを介して貸借・売買すれば、税制上の優遇も受けられます。
しかし、農地バンクへの貸出期間は、基本的に10年以上であり、途中解約も難しいという問題もあります。長期間自由に利用できなくなるため、貸し出す際には今後の利用予定を考えたうえで判断することが重要です。
農地の貸し借りを考えている方は、農地バンクへ相談してみてください。

