太陽光パネルのサイズと重量を一覧で比較! 大きさを決めるポイントも紹介
「太陽光パネルは、メーカーでサイズや重量が違うのか知りたい」
「屋根に載せる太陽光パネルのサイズをどう選べば良いのか分からない」
まだ太陽光発電システムの導入を検討中の段階でも、自宅に合う太陽光パネルのサイズや重量が気になる方は多いでしょう。
太陽光発電は再生可能エネルギーを活用した発電設備の中で、最も普及が進んでいます。
世界中のメーカーが太陽光パネルを製造しており選択肢も多いため、サイズの採用基準が分からない方もいる状況です。
そこで本記事では、メーカーごとに太陽光パネルのサイズと重量の比較表を紹介します。太陽光パネルのサイズ選びのポイントや注意点も解説していますので、ぜひ参考にしてください。
太陽光パネルの処分や売却を検討されている方は、「太陽光パネルの買取相場」をご覧ください。価格推移や買取業者の選び方も解説しています。
メーカー別|太陽光パネルのサイズ・重量の比較一覧
太陽光パネルは同じだけの発電量を得られる場合でも、メーカーごとにサイズや重量は少しずつ異なります。
以下では、主要なメーカー4社の型番別に太陽光パネル1枚あたりの大きさなどを、比較表で紹介します。
パナソニック株式会社
パナソニックの住宅用太陽光発電システム向けの太陽光パネルを、紹介します。
型番 | サイズ(外形寸法) 幅×奥行×厚さ | 1枚の面積 | 質量 (重さ) | 公称最大出力 |
---|---|---|---|---|
VBM410FJ03N | 1,722×1,134×35mm | 1.953㎡ | 21.5kg | 410W |
VBM240FJ01N | 1,542×780×35mm | 1.203㎡ | 13.5kg | 240W |
VBM120FJ02N | 810×780×35mm | 0.632㎡ | 7.5kg | 120W |
上記は、2023年に発売されたMODULUS(モデュラス)という製品です。同一モデルで性能は同じですが、搭載する太陽電池の個数により、太陽光パネルのサイズや公称最大出力が違っています。
シャープ株式会社
シャープが製造している、住宅向け単結晶の太陽光パネルを一覧で紹介します。
型番 | サイズ(外形寸法) 幅×奥行×厚さ | 1枚の面積 | 質量 (重さ) | 公称最大出力 |
---|---|---|---|---|
NQ-230BP | 1,146×996×38.5mm | 1.141㎡ | 13kg | 230W |
NQ-151BP | 779×996×38.5mm | 0.776㎡ | 9kg | 151W |
NQ-254BM | 1,265×1,055×46mm | 1.335㎡ | 6.5kg | 254W |
NQ-180BM | 925×1,055×46mm | 0.976㎡ | 12.5kg | 180W |
NU-228AP | 1,146×996×38.5mm | 1.141㎡ | 13kg | 228W |
NU-259AM | 1,265×1,055×46mm | 1.335㎡ | 15.5kg | 259W |
NU-259HM | 1,265×1,055×46mm | 1.335㎡ | 16.5kg | 259W |
NU-435PP | 1,721×1,133×40mm | 1.950㎡ | 22kg | 435W |
NU-287PP | 1,721×768×40mm | 1.322㎡ | 15.5kg | 287W |
NU-415PP | 1,721×1,133×40mm | 1.950㎡ | 23kg | 415W |
NU-375KH | 1,755×1,038×40mm | 1.822㎡ | 21.5kg | 375W |
シリーズやサイズ展開が多く、太陽光パネルの大きさでも選択肢が多い点が、シャープ株式会社の特徴です。
長方形のほか台形のタイプの太陽光パネルもあるため、設置場所が限定されていてもスペースを有効活用できます。
京セラ株式会社
京セラ製の太陽光パネルであるエコノルーツは、さまざまな屋根材に対応できる特徴があります。以下は、京セラ製の太陽光パネルの一覧です。
型番 | サイズ(外形寸法) 幅×奥行×厚さ | 1枚の面積 | 質量 (重さ) | 公称最大出力 |
---|---|---|---|---|
KT410W-108HL4B | 1,722×1,134×35mm | 1.953㎡ | 25.4kg | 410W |
KT410W-108HL4 (受注生産品) | 1,722×1,134×35mm | 1.953㎡ | 25.4kg | 410W |
KT230W-60HL4B | 1,134×977×35mm | 1.108㎡ | 15kg | 230W |
サイズ展開は2種類あり、設置場所などに応じて太陽光パネルの大きさを選べます。
カナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社
カナディアン・ソーラー・ジャパンは、カナダに本社がある太陽光パネルメーカーの日本法人です。
以下は、カナディアンソーラーの住宅用太陽光発電システムに搭載できる、太陽光パネルのサイズを紹介します。
型番 | サイズ(外形寸法) 幅×奥行×厚さ | 1枚の面積 | 質量 (重さ) | 公称最大出力 |
---|---|---|---|---|
CS6R-410MS | 1,722×1,134×30mm | 1.953㎡ | 21.3kg | 410W |
CS6RA-315MS | 1,352×1,134×30mm | 1.533㎡ | 16.9kg | 315W |
CS6RB-270MS | 1,722×767×30mm | 1.321㎡ | 14.5kg | 270W |
幅または奥行の外形寸法を揃えたコンビネーションモジュールが採用されている点が、カナディアンソーラーの特徴です。
これにより、縦と横どちらの方向にもパネルを追加でき、屋根のスペースを有効活用できます。
太陽光パネルの最適なサイズ選びのポイント4選
自宅の屋根に設置するパネルサイズを選ぶ際に注目すべきポイントは、以下の4つです。
- 太陽光発電システムの容量に合わせる
- 屋根の面積に合わせる
- 屋根の形状に合わせる
- 屋根の耐荷重を構造計算から算出して決める
どのようにして太陽光パネルのサイズを決めるのか、順に見ていきましょう。
太陽光発電システムの容量に合わせる
太陽光発電システムで得たい発電量に合わせて、太陽光パネルのサイズを決める方法を紹介します。
以下2種類の大きさを例に、「容量4kW」に必要な太陽光パネルのサイズを考えてみます。
- サイズ:1,265×1,055×46mm
- 公称最大出力:250W
- 4kWに必要な枚数:4,000W÷250W=16枚
- 4kWに必要な面積:1.265×1.055×16枚=21.353㎡(約6.46坪)
- サイズ:779×996×38.5mm
- 公称最大出力:151W
- 4kWに必要な枚数:4,000W÷151W≒27枚 ※小数点以下を切り上げ
- 4kWに必要な面積:0.779×0.996×27枚=20.949㎡(約6.34坪)
①と②の条件をもとに、太陽光パネルのサイズを決める考え方は以下のとおりです。
太陽光パネルのサイズが変わると、同じ容量4kWでも必要な面積や枚数が変わります。
屋根の設置スペース有無など、業者に確認しながら太陽光パネルのサイズを決めると良いでしょう。
関連記事 太陽光発電4kWの発電量や設置費用
屋根の面積に合わせる
自宅屋根の面積の範囲内に納まるように、太陽光パネルのサイズを決める方法もあります。以下の条件の住宅を事例に、太陽光パネルのサイズを算出してみましょう。
- 建坪:35坪
- 屋根の面積:70㎡
太陽光発電システムを導入する際、屋根面積の2割をメンテナンスのためのスペースとして確保すると仮定します。この場合、太陽光パネルを設置できるのは、屋根全体の8割で面積は「56㎡」です。
基本的には、太陽光パネルを設置可能な面積に納まる枚数にすれば、どのサイズでも導入できます。
ただし、サイズが小さいパネルを選ぶと設置枚数が増えて、重量も重くなり屋根の耐久性が下がります。このため、屋根の面積と重量を加味したサイズ選びが必要です。
屋根の形状に合わせる
屋根の構造に合う大きさを選ぶのも、太陽光パネルのサイズを決める方法の1つです。以下の図は、一般的な住宅の屋根形状を表しています。
切妻屋根(きりづまやね)や寄棟屋根(よせむねやね)をはじめとして、比較的広い面積がある形状なら太陽光パネルの設置は可能です。
太陽光パネルのサイズを決める前に、どの方向の屋根に設置するのが適切か業者に相談して決めます。設置する屋根の向きが決まったら、面積に合わせて採用する太陽光パネルのサイズを選びましょう。
屋根の耐荷重を構造計算から算出して決める
自宅の屋根がどのくらいの重さに耐えられるかを示す耐荷重を基にするのも、太陽光パネルのサイズを決める方法です。
耐荷重は建築物ごとに異なるため、設計段階で作成されている構造計算書を基に、専門家に算出してもらう必要があります。
屋根の耐荷重が約5,000kgの場合、太陽光パネル重量の合計がこれよりも小さくなるようにサイズを決めましょう。
たとえば、1枚あたりの重さが23kgの太陽光パネルなら、サイズに関わりなく217枚は乗せられる計算になります。
実際には何百枚もの太陽光パネルは設置できないため、耐荷重を考慮しつつ容量や屋根面積などを踏まえたサイズ決めが必要です。
太陽光パネルのサイズを決める際の3つ注意点
太陽光パネルのサイズ選びで注意したいポイントは、以下の3つです。
- 太陽光パネルのサイズだけで発電量は決まらない
- 屋根の面積いっぱいに太陽光パネルを設置できない
- 太陽光パネルの設置で耐震等級が下がる可能性がある
どのような点に気を付けなくてはいけないのか、詳しく説明します。
太陽光パネルのサイズだけで発電量は決まらない
太陽光発電システムの発電量は、以下に挙げる要素で決まります。
太陽光パネルは、太陽電池セルと呼ばれる光を電気に変える機器の集合体です。サイズが大きい太陽光パネルは太陽電池セルの数が多いため、比例して発電能力も高くなります。
パワコンが太陽光パネルで発電した電気を直流から交流の電流に変換する際のロス率や、日射量も発電量に影響します。
また、発電量が1番高いと言われる太陽光パネルの設置条件は、南向きで傾斜30度です。
より多くの発電量を得るためには、太陽光パネルの大きさだけでなくほかの要素も考慮しながらのサイズ決めが重要です。
関連記事 パワコン(パワーコンディショナー)とは?
屋根の面積いっぱいに太陽光パネルを設置できない
発電量を多くしたくても、屋根を全て太陽光パネルで埋めることはできません。屋根の全面に太陽光パネルを設置してしまうと、メンテナンスできないためです。
建物の側面に足場を設置しても、場所によっては直接屋根に乗って作業が必要なケースもあります。メンテナンス用の足場を確保するために、屋根に余白を残すように意識しましょう。
屋根の形状や材質で、足場として必要なスペースが変わることもあります。このため、業者に相談して太陽光パネルのサイズを決めるのがおすすめです。
太陽光パネルの設置で耐震等級が下がる可能性がある
長期優良住宅の認定を受けた住宅の場合、太陽光発電の後付けで耐震等級が下がる懸念があります。
長期優良住宅は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置講じられた優良な住宅です。
耐震等級は建物がどれだけ大きな地震に耐えられるかを示すもので、長期優良住宅の認定項目の1つです。
自宅が長期優良住宅と認定されると、所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税などの軽減措置を受けられます。
太陽光発電の後付けで負荷がかかり耐震性が下がったと判断されると、耐震等級も下がって税金の軽減措置がなくなりかねません。
太陽光パネルはサイズが重量に比例するため、長期優良住宅の場合は特に耐震等級を下げない大きさ選びが重要です。
まとめ|太陽光パネルのサイズは容量・屋根の面積と形状・荷重で決まる
太陽光パネルのサイズには、統一された規格はなくメーカーや型番ごとに異なります。
自宅に合ったサイズの太陽光パネルを選ぶためのポイントは、以下の4つです。
- 太陽光発電システムの容量に合わせる
- 屋根の面積に合わせる
- 屋根の形状に合わせる
- 屋根耐荷重を構造計算から算出して決める
これらのポイントを押さえれば、数ある太陽光パネルの中から自宅に合ったサイズを見つけられるでしょう。