太陽光パネルのリサイクル義務化を解説!いつから?リサイクル費用は誰が負担する?

「太陽光パネルのリサイクルが義務化されるのはいつから?」
「太陽光パネルのリサイクル費用は誰が負担するの?」
太陽光パネルは今後、大量廃棄時代を迎えると言われており、政府はリサイクルの義務化に向けて動いています。
太陽光発電事業者の中には、いつからリサイクルが義務化されるのか、リサイクル費用の負担がどうなるのか気になる方も多いでしょう。
本記事では、太陽光パネルのリサイクル義務化に関して以下の内容を解説します。
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太陽光パネルのリサイクルは義務化されていない

2025年5月時点で、太陽光パネルのリサイクルは法律で義務付けられていません。しかし国はリサイクル義務化に向けて検討し、動き始めています。
その理由は、2030年代後半以降に寿命を迎える太陽光パネルが急増し、大量廃棄時代が到来するという予測があるためです。
環境省は2024年に「太陽光発電設備リサイクル制度小委員会」を立ち上げ、制度を作るために議論を進めています。
参照:環境省|太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン
太陽光パネルのリサイクル義務化はいつから?
太陽光パネルのリサイクル義務化がいつから実施されるかは、現時点では未定です。
早ければ2025年の通常国会において関連法案が提出される可能性があるとされていました。
しかし、内閣法制局から内容の見直しが求められ、2025年の通常国会提出は厳しいともされています。
参照:毎日新聞|太陽光パネルのリサイクル義務化法案 今国会提出見送りの公算大
太陽光パネルリサイクル費用は誰が負担する?
太陽光パネルのリサイクル費用は、再資源化にかかる費用と、解体・撤去にかかる費用に分かれています。2025年5月時点でまだ決定ではありませんが、それぞれの費用負担者は以下の予定です。
かかる費用 | 費用の負担者 |
---|---|
再資源化費用 | 製造業者・輸入業者 |
解体・撤去費用 | 発電所所有者 |
再資源化費用は、国産パネルの場合は製造業者、海外製パネルの場合は輸入業者が負担します。業者が太陽光パネルの製造もしくは輸入時に第三者機関へ費用を支払う仕組みです。
ただし、すでに設置されたパネルの処分費用を製造業者・輸入業者が負担するのは難しいとし、法整備が進められている最中です。
一方、解体・撤去費用は発電所の所有者の負担です。FIT制度やFIP制度では、廃棄費用をあらかじめ積み立てる仕組みが整備されています。
非FIT・非FIPの太陽光パネルや、積立制度が導入される前の太陽光パネル所有者も同様に、解体・撤去費用を負担しなければなりません。
参照:太陽光発電設備リサイクル制度小委員会|太陽光発電設備のリサイクル制度のあり方について
太陽光パネルの処分費
太陽光パネルの処分にかかる費用目安を家庭用・産業用で分けて紹介します。
用途 | 1枚あたりの処分費目安 |
---|---|
家庭用 | 7,500~1.25万円 |
産業用(野立て) | 1,300~6,500円 |
家庭用パネルの場合、足場の組み立てや屋根から取り外す費用がかかるため、1枚にかかる処分費が比較的高くなりやすいです。
産業用パネルの場合、経済産業省の「太陽光発電設備の廃棄等費用積立制度について」によると、基礎を含めた撤去費用は1kWあたり1.06~1.37万円です。
ただし、野立てではなく屋根に太陽光パネルを設置している場合、家庭用と同様に足場の組み立てや取り外しなどの作業費がかかります。
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太陽光パネルはリサイクルできない?課題を解説
太陽光パネルのリサイクルには、以下の課題を抱えています。
- 太陽光パネルにはヒ素やカドミウムなどが含まれることがある
- 太陽光パネルのリサイクル技術を持つ業者が少ない
太陽光パネルにはいくつかの種類があり、「シリコン系パネル」はほとんどの業者が処理可能です。しかし、化合物系パネルの場合はパネルの含有物が不明だと処理できない業者もいます。
また、2025年5月時点で太陽光発電協会に太陽光パネルの適正処理が可能として、届け出を出している処分業者は全国で50社のみです。
環境省の資料によると、今後ピーク時には年間50~80万トンの太陽光パネルが寿命を迎えると想定されています。
また、2021年時点で国内のリサイクル業者は31社で、太陽光パネルリサイクル処理能力は年間7万トンほどと言われています。
2021年と比べると、リサイクル業者の数は確実に拡大していますが、50社ではまだ処理に対応できる状況ではないため、体制の強化が急務です。
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太陽光パネルは今後リサイクル義務化される
太陽光パネルは現時点ではリサイクル義務化されていないものの、今後は法案が提出され、義務化される見通しです。
太陽光パネルには有害物質が含まれているケースもあることから、リサイクル技術を持つ業者が少ない点が課題として挙げられています。
所有者としては太陽光パネルのリサイクル義務化で費用負担が増えるわけではありません。しかし、解体・撤去にかかる費用は所有者負担となります。