九州電力の出力制御がひどいといわれる理由は? 今後の見通しやスケジュール・対策を紹介

「九州電力の出力制御が多すぎる」
「九州電力の出力制御はなぜひどいといわれるの?」
九州電力と売電契約を結んでいる方の中には出力制御が収入に影響しており、不安を抱えている太陽光発電事業者も多いのではないでしょうか。
この記事では、九州電力の出力制御について以下の内容をわかりやすく解説します。
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九州電力で行った出力制御の実績
九州電力は全国で初めて出力制御(出力抑制)を行い、制御率は毎年上がり下がりを繰り返しながらも増加傾向です。
2023年度の再生可能エネルギー(太陽光・風力)の出力制御率は8.3%、制御電力量は12.9億kWhと過去最高に達しています。

なお、2025年1月時点で2024年度の九州本土の出力制御率(太陽光のみ)は6.4%の見込みです。2023年度と比較すると、2024年度の出力制御率は低く収まりそうです。
関連記事 出力制御(出力抑制)とは
九州電力の出力制御はいつから?
九州電力は、全国の電力会社で初めて、2018年度から太陽光発電所・風力発電所に対して出力制御を実施し始めました。
九州電力の出力制御回数(2024年度)
九州電力発表の資料によると、2024年度の1発電所あたりの出力制御回数は、18~19回相当です(2025年3月1日時点)。
九州電力の出力制御がひどいといわれる理由
九州電力の出力制御が「ひどい」といわれる理由は、出力制御率がほかの地域より高いためです。
以下は、2023年度の全国の出力制御率を比べたグラフです。見比べると、九州だけ明らかに出力制御率が高いのがわかります。

九州は日照条件がよいため、ほかの地域に比べると太陽光発電の導入が進んでいます。そのため全国の中でもとくに出力制御率が高く、「ひどい」と言われることが多いです。
【2025年度】九州電力の出力制御見通し
2025年度の九州電力における太陽光発電の出力制御率は6.2%の見込みです(2025年1月時点)。
2024年度の予測出力制御率が6.4%見込みなので、昨年と比べて大きな変動はないと予想できます。
参照:「2024年度出力制御見通しについて」「2025年度出力制御見通しについて」|九州電力送配電(株)
今後の出力制御はどうなるのか
出力制御は今後、増加する可能性があります。
諸外国では変動型再生可能エネルギー(※)の比率が高まるほど、出力制御が増える傾向が見られるためです。
- (※)変動型再生可能エネルギーとは
-
季節や時間帯で発電量が変動する電力源のこと。
代表的なものに太陽光や風力、波力などが挙げられる。
現状の日本では、発電量がとくに不安定な太陽光発電の比率が高い中、再エネの出力制御率は比較的低めに保たれています。
しかし日本でも太陽光発電を含む変動型再生可能エネルギーがさらに普及すれば、今後はより出力制御が増えると考えられます。
関連記事 太陽光発電は今後どうなる? 将来性と課題
九州電力の出力制御に補償はあるのか
結論、現在は九州電力の出力制御に補償はありません。
以前は、固定価格買取制度(FIT制度)の下で「30日等出力制御枠」がありました。年間日数30日または太陽光発電で360時間、風力発電で720時間を上限に、無補償で出力制御に応じる義務があるルールです。
しかし太陽光や風力発電が急速に普及し、30日等出力制御枠以上に出力制御が必要な地域が増えました。
2021年4月以降は全国で「無制限・無補償ルール」が開始されることになり、30日等出力制御枠が撤廃されました。
そのため、現在は九州電力を含めて、全国で出力制御に対する補償はありません。
参照:出力制御について|経済産業省
出力制御の対策
出力制御の対策として、政府は以下の方法を検討しています。

電力需要側の対策は家庭と産業の2つを対象にしています。
具体的には、各家庭や企業に対して蓄電池で電気を溜めるよう推進したり、新しい料金プランを出して電気の使い方を工夫してもらったりする対策です。
供給側の対策は火力発電の出力引き下げや、オフライン再エネ発電設備のオンライン化をさらに進め、供給量の制御が可能な電源を増やすことなどを挙げています。
系統対策としてもさまざまな対応が検討中です。たとえば、送電システムの強化や運用見直しで、余った電気をより遠くのエリアに送ることや、価格メカニズムを通じた需給のバランス調整が検討されています。
九州電力の出力制御スケジュールを確認できる場所
九州電力の最新出力制御スケジュールは、同社ホームページ内の「でんき予報」で提示されています。

「再生可能エネルギー出力制御見通し」欄を見れば、翌日から3日後まで出力制御発生の可能性や、実施状況もわかります。
九州電力の出力制御は増加になる恐れも
九州電力の出力制御がひどいといわれる理由や、今後の見通しを紹介しました。
今後、太陽光や風力発電が拡大することで、出力制御が増える恐れがあります。
九州でのソーラーパネル導入は一時期に比べると鈍化していますが、まだ増えています。そのため、ソーラーパネルが普及し始めた当初のように、出力制御の回数がゼロまで減少するとは考えにくいです。
エネルギーをムダにしないために、国も出力制御を解決するべき問題だと重要視し、対策を進めています。
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