おもしろい発電方法を紹介! 新しい未来の発電技術・すごい発電アイディアとは?
「おもしろい発電方法を知りたい!」
「地球のためになる発電方法が登場しているって本当なの?」
「日本ではどんな発電方法が運用されているの?」
発電関連の投資に興味があり、おもしろい発電方法やすごい発電方法を調べている方も多いのではないでしょうか?中には、未来的なおもしろい発電方法に興味がある人も多いはずです。
この記事では、以下についてわかりやすく解説します。
おもしろい・すごい発電方法一覧
世界では、想像もつかないおもしろい発電方法が研究されています。「こんなもので電気を起こせるの!?」と驚く発電方法を6つ紹介します。
廃棄うどんから発電する「うどん発電」
うどんで有名な香川県では、廃棄されるうどんを利用して発電する「うどん発電」が用いられています。
香川県は、うどんの消費量が日本一である反面、廃棄量も日本一です。食べ物であるうどんを無駄にしないSDGsの取り組みとして「うどんまるごと循環プロジェクト」をスタートしました。
発電の仕組みとして、まずうどん店や工場で廃棄されるうどんの残渣(残りかす)を専用のバイオプラントに投入します。食品廃棄物が発酵するとバイオガスが発生し、生産されたガスを使用してタービンを回して電気を生み出すのが主な仕組みです。
過去の実績として、年間300トンの食品廃棄物から75,000kWhの発電を成功させました。ただし安全性に優れる一方、現状ではまだエネルギー変換効率が低く、発電供給量が少ないというデメリットがあります。
ビジネスマンから発電する「通勤ラッシュ発電」
JR東日本は、ビジネスマンの通勤やラッシュアワーの時間帯を活用して発電する「通勤ラッシュ発電」の実証実験を進めています。別名、床発電システムと呼ばれており、床上を歩行する際の振動エネルギーで発電するのが特徴です。
JR東日本の実証実験結果によると、通勤ラッシュ発電の専用機器は東京駅の八重洲北口改札に設置されており、2007年の実験では、1日あたりに500kW秒を発電できています。
そして2008年に実施された追加実験では、発電量が改善し、1日あたり1,400kW秒を発電できるようになりました。発電量がおよそ3倍に伸び、LED照明を17時間点灯できるほどの電力を生み出せますが、耐久性の減少により発電量が減少してしまうといった課題があるそうです。
スポーツマン必見「汗発電」
カリフォルニア大学のサンディエゴ校では、人が汗をかく仕組みを利用して発電する「汗発電」の小型デバイスを開発しました。
汗に含まれる尿糖や乳酸といった物質が、酵素の働きで酸化することによって発電できる仕組みです。小型デバイスにはコンパクトなバイオ燃料電池が搭載されているため、睡眠中に腕時計といったウェアラブル端末を充電できる可能性があると期待されています。
牛のげっぷを利用した「バイオガス発電」
アルゼンチンにある国立農牧技術院では、牛が発するげっぷを利用した「バイオガス発電」を開発しました。
牛のげっぷに含まれるメタンガスはCO2の25倍もの温室効果があり、世界中から排出される温室効果ガスの4%が牛のげっぷ由来です。国立農牧技術院は大量に発生するげっぷの問題を逆手に取り、バイオガス発電を進めています。
また国内でも牛の畜産がさかんな北海道鹿追市でも、牛のげっぷ・排泄物を利用したバイオガス発電のシステムを開発中です。削減が難しい畜産の課題解決のため、世界中が生き物を利用した発電手法を生み出しています。
踊るほど電気ができる「ダンス発電」
欧州にあるドイツのベルリン、イギリスのスコットランドでは、クラブやイベント会場が多いことを活かし、踊るほど発電される「ダンス発電」が開発されています。
圧力や摩擦を受けると発電する特殊なフロアタイルを敷き詰めることにより、人がステップを踏むほど発電されるのが特徴です。電力は施設内の照明や音響設備の電力として使用でき、自家発電・自家消費できるエコな施設を運営しやすくなると期待されています。
生きているだけで電気ができる「体温発電」
健康予防・管理分野の事業を展開する株式会社メディロムが、人の体温を利用して自動発電される「体温発電」の製品の販売をスタートしました。
マザーブレスレットと呼ばれる体温発電の製品は、心拍数や睡眠値、カロリー消費量といった情報を取得できるウェアラブルデバイスです。手首につけたまま自動で充電できるため、わざわざ着脱する必要がなくなります。
充電が切れることなく、24時間365日いつでも装着者のデータを取得可能です。充電のために着脱する手間、つけ忘れの防止に役立つと期待されています。
未来的な新しい発電方法・アイディア一覧
前述したようなおもしろい発電方法のほかにも、現代の最新技術を活用した未来的で新しい発電方法のアイディアが生まれています。中でも注目が集まる未来の発電方法を4つ挙げました。
インターネットの電波を活用した「Wi-Fi発電」
Wi-Fi発電とは、インターネット接続に用いるWi-Fi技術を活用した発電方法です。
東北大学電気通信研究所やシンガポールの国立大学の研究チームが発見した発電方法であり、Wi-Fiの電波に含まれる磁気を活用して電力を起こします。
現在の研究では、世界中を飛び回っている微弱な2.4GHz電波を利用し、発電について研究中です。また研究結果として、2.4GHzの電波を専用のコンデンサに数秒間だけ充電したところ、1分間LEDライトを発光できたところまで研究が進展しています。
電荷を蓄える電子部品のこと。他にも信号の遮断や交流信号を通すといった機能を備えており、PCといった機器や自動車等に導入してあります。
空気の振動を活用した「音力発電」
音力発電とは、音の力を利用して発電する方法です。別名、振動発電とも呼ばれており、次のような音の振動を活用して電力を生み出します。
- 人の声
- 音楽
- 騒音(工事・交通量の多い道路など)
音が鳴ると発生する音波の振動を利用して発電する仕組みです。音が鳴り続ける限り継続して電力を生成します。
すでに発電装置の開発・販売も完了しており、国内の高速道路などには「遮音壁」に発電機能が搭載され、販売がスタートしています。
交通量の多い道路で、周辺への騒音被害を抑える壁のことです。音発電との相性が良い高速道路や幹線道路に設置されており、騒音被害の大きな場所に用いられます。
工場・自動車から出る熱を使った「排熱発電」
排熱発電とは、次のような施設・機器から排出される熱を利用した発電方法です。
- 工場
- 電気自動車
専用の「熱発電モジュール」を排熱箇所に設置するだけで電力を生み出せるため、モノを動かす熱量を無駄にしない発電方法だと注目されています。稼働している間ずっと放熱を続ける工場設備や電気自動車に取り付けることにより、電力の自家発電が可能です。
ちなみに、熱発電モジュールは、1つ当たり最大143W(背面にある低温部との温度差が385度になる場合)を発電できます。10cm角の小型のモジュールも開発されているため、一度に大量の発電が可能です。
宇宙空間で電力をつくる「宇宙太陽光発電」
宇宙太陽光発電とは、宇宙空間に漂う衛星を利用して、太陽光の発電エネルギーを地球に送る画期的な発電方法です。
衛星に太陽光発電システムとマイクロ波送電アンテナを取り付け、遮蔽物の少ない宇宙空間で24時間365日発電を継続できます。発電された電力はマイクロ波として地球に飛ばされ、地上に設置された受信機で電力に変換するのが発電の仕組みです。
宇宙空間を漂いながら発電できるため、地上の土地問題を解消し、発電のための燃料を使わないという部分に期待が集まっています。
現代でも使われている環境にやさしい発電方法4選
現在地球は、地球温暖化、気候変動といった問題に悩まされています。主な原因としては、CO2(二酸化炭素)を含む温室効果ガスの排出が関係しており、CO2を排出する火力発電の利用が見直されるなど、発電手法が分散化している状況です。
そして現代では、環境にやさしいクリーンな発電方法が複数利用されています。地球環境のことを考えた発電方法を4種類まとめました。
バイオマス発電
バイオマス発電とは、化石燃料を除いた生物由来の再生可能資源を用いた発電方法です。たとえば、次のようなものを燃料にして発電します。
バイオマス燃料の種類 | 燃料の利用方法 |
---|---|
木質燃料 | 木くず、廃材など使わない品を燃料として利用する |
バイオディーゼル | 菜種油、廃食用油などをメチルエステル化して燃料に使う |
バイオエタノール | サトウキビ、トウモロコシ、木材などを発酵してエタノール化させて燃料にする |
バイオガス | 生ゴミや糞尿が発酵した際に出るガスを燃料として利用する※牛のげっぷもバイオガスに該当 |
自然から取れる品を利用して電力を生み出せるため、化石燃料など利用した有限な発電方法よりもエコです。使われず廃棄する道しか残っていない「ゴミ・搾りかす」を活用できるため、環境にやさしい発電方法として利用されています。
地熱発電
地熱発電とは、地下に溜まったマグマの熱を利用して発電する方法です。専用の発電機器とマグマをつないで水蒸気を発生させ、タービンを回すことによって電力を生み出せます。
自然由来のマグマの熱エネルギーを利用し、地熱発電施設だけあれば燃料を使わずに発電できるのが魅力です。ただし、再生可能エネルギーの中でも建設・導入コストが大きく、マグマのある地域が限られているといったデメリットもあります。
日本には現在23基の地熱発電施設が設置されており、年間2,472GWhもの電力を発電している状況です。地熱地帯には温泉地ができやすいことから、東北や九州に地熱地帯が集中しています。
風力発電
風力発電は、風の力を利用して発電する方法です。風車の回転運動によって発電されるため、自然由来の力を利用した発電方法として、世界各地で利用されています。
ただし天候や季節によって発電効率が変化するほか、設置場所が限定されるといった欠点に注意しなければなりません。年間を通じて風が強く、安定的な発電ができる地域にのみ設置できるため、風力発電機の設置数が限定されるのもネックです。
太陽光発電
太陽光発電は、太陽光の力を利用して発電する方法です。太陽光発電はSDGsにも貢献する発電方法として注目されています。
太陽光により発電できるのは、「半導体が組み込まれたソーラーパネルに太陽光の光エネルギーが加わると、電子の流れが生まれて電力に変換される」という仕組みです。
ソーラーパネルの枚数が多いほど発電量を増やせるため、近年では企業などが積極的にメガソーラー発電所を設置しています。
また太陽のある場所ならどこでも発電できるため、世界各国で太陽光発電施設の導入が進んでいます。家庭用の太陽光発電システムも普及が進んでおり、自宅用電力を確保する家庭も少なくありません。
もし太陽光発電について興味をお持ちなら、以下の記事をチェックしてみてください。太陽光発電を利用した投資手法について紹介しています。
関連記事 太陽光発電投資とは
もうひとつ、住宅用の太陽光発電システムの将来性が気になる方は、以下の記事も確認してみてください。
関連記事 太陽光発電の10年後はどうする?
日本で用いられている発電方法
現在日本では、次の発電方法が利用されています。
私たちが住む日本では、石炭や石油、天然ガス(LNG)を用いる火力発電を中心とした発電スタイルを確立しており、7割近くの電力をCO2を排出する火力発電から生み出している状況です。また、水力発電を含む再生可能エネルギーの活用割合は2.5割程度にとどまっており、まだまだ導入・普及に時間がかかるとわかります。
先進国の中でも環境対策が遅れ気味の日本では、火力発電によるCO2排出量を抑えつつ、再生可能エネルギーなどに転換していかなければなりません。
関連記事 火力発電のメリット・デメリット
日本に適したおもしろい発電方法はどれ?
本記事で紹介したおもしろい発電方法の中でも、日本で適用しやすいのは次の発電方法です。
日本に適用しやすい発電方法 | 適用しやすい理由 |
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うどん発電 | うどんで有名な香川県などで導入しやすいため |
通勤ラッシュ発電 | 全国的に交通機関が普及しているため |
排熱発電 | 全国的に自動車社会が浸透しているため |
バイオマス発電 | 世界的な森林大国であり、廃材等が出やすい地域性であるため |
太陽光発電 | 使われていない土地(農地)や住宅など設置しやすいスペースがあるため |
とくに、太陽光発電は日本国内で普及が進んでおり、投資対象としても人気を集めています。投資効率の良い商品として話題になっているため、投資の利回りを知りたい方は以下の記事をチェックしてみてください。
関連記事 太陽光発電投資の利回り
新たな発電アイディアが環境問題・地域問題を解決する!
本記事で登場した発電アイディアは、どれも既存の生活・社会スタイルを崩すことなくプラスアルファの要素として追加できるものばかりです。
人の動きや熱の力を使って手軽に発電できるようになるため、普及が進めば、今まで以上に発電効率の高い国になっていくと考えられます。
また、新たな発電方法が生まれて事業が拡大すれば、地域の需要が生まれ、事業開始のための人材確保など、地域を盛り上げるきっかけができるはずです。
発電技術が進めば進むほど環境問題の解決や、「カーボンニュートラル」の実現につながるため、今後の技術発展に期待が集まっています。
ただし、研究段階のものも少なくありません。普及するまでに莫大な時間がかかると予想されています。
しかし、開発が実現すれば世の中を大きく変えるような発電方法があるのも事実です。今後新たな発電方法が登場する可能性もあるため、発電技術の動向から目が離せません。