地球沸騰化は今後どうなる? 原因や対策、温暖化との違いとは

地球沸騰化とは
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「今は温暖化ではなく、地球沸騰化なの?」
「地球沸騰化の現状はどうなっているの?」

「地球沸騰化」という衝撃的な言葉を聞いて、意味や言葉ができた背景が気になる方は多いのではないでしょうか。

この記事では地球沸騰化について以下の内容をくわしく解説します。

地球沸騰化とは?

「地球沸騰化」とは気候変動によって最悪の事態が発生すると改めて問題を指摘し、世界に危機感を持たせる目的で発言されました。

The era of global warming has ended.

The era of global boiling has arrived.

引用:United Nations UN News

発言内容は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来したというものです。

なぜ「地球沸騰化」という言葉ができたのか、誰が言ったのか?

なぜ「地球沸騰化」という言葉ができたかの背景には、2023年の世界的な猛暑があります。

2023年7月の最初の3週間は当時の観測史上最も高温となり、気候変動がなければあり得ないほどの強い熱波が報告されました。そのほかにも山火事や大規模な大雨・洪水など、世界中の地域で自然災害が起こっています。

当時の状況から国連事務総長であるグテーレス・アントニオが、気候変動への危機感を表すために「地球沸騰化」と発言。

なお、日本でも2023年の夏は全国的に統計史上一番の暑さを記録し、地球沸騰化が注目を浴びました。

地球温暖化と地球沸騰化の違い

地球温暖化と地球沸騰化の違いは明確に決まっていません。

その理由は、具体的にどんな条件で「地球沸騰化」と言えるのか、定義づけされていないためです。

地球温暖化の深刻さを伝えるためにグテーレス国連事務総長が「地球沸騰化」という表現を用いたのであり、環境問題の正式な用語ではありません。

地球沸騰化の現状とは

現状地球では、以下の現象が起こっています。

  • 気温上昇
  • 海面水位上昇
  • 海水温度の上昇
  • 海洋の酸性化
  • 晩夏の北極海海氷の減少
  • 氷河の後退

世界の平均気温は、過去2000年間の中で経験したことのない速度で上がっています。具体的には1850~1900年を基準として、世界平均気温は1.09度も上昇しました。

また、地球全体の平均気温上昇に伴い、海面水位や海水温度、海洋の酸性化などさまざまな悪影響が出ています。

地球沸騰化の原因

地球沸騰化の原因は、二酸化炭素やメタンなど温室効果ガスの排出量が増えたためです。

1750年頃の産業革命を境に、温室効果ガスの排出量が増えた歴史があります。石炭や石油などの化石燃料を燃やしてエネルギーを得るようになり、産業や経済が爆発的に伸びました。

発展の一方で、二酸化炭素の排出量を加速させてしまった背景があります。

以前は地球温暖化の要因が本当に人間活動によるものなのか、懐疑的な声もありました。しかし最新の研究では、人間活動による温室効果ガスの排出量増加が原因であると断定されています。

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このまま地球沸騰化が進むとどうなる?

地球沸騰化が進むと私たちの暮らしに起こる変化・影響は以下のとおりです。

地球沸騰化が進むと起こること

地球沸騰化で気温が上昇すると、蚊が増えてデング熱やマラリアなどの感染症が広がる健康被害が起こります。熱中症リスクも上がり、近年では6月~9月に熱中症で救急搬送される人の数が過去と比較して増加傾向です。

気候変動による異常気象は、生態系にも影響があり、ひいては農林水産業にも影響を及ぼします。今後日本では、サンマが獲れない・米の収穫量が減るなど、私たちの食生活にも影響が出るでしょう。

地球沸騰化への対策

今後ますます地球温暖化が進むと、グテーレス国連事務総長の言うように地球沸騰化は避けられない事態となってしまいます。

地球沸騰化を避けるために日本や世界が行っている対策、私たち個人ができる対策を紹介します。

国際的な対策

国際的には、1992年に「気候変動枠組条約」を定めたことがひとつの対策です。「気候変動枠組条約」の流れで現在は「パリ協定」が採択されました。

各国で温室効果ガスの排出量を削減するための目標提出を行い、各々で目標達成のために取り組んでいます。

パリ協定については、「京都議定書をわかりやすく解説! パリ協定との違いは?」でも解説しています。

日本の対策

日本はパリ協定で、以下の目標を発表しました。

2030年までに2013年度比で温室効果ガスの排出量を26%減らし、中・長期的に温室効果ガスの更なる削減ができるよう努力する

出典:外務省「日本の排出削減目標

その目標達成のために国内で実施している取り組みは以下のとおりです。

日本の地球沸騰化対策

CO2回収や貯留などの技術開発や法整備・法の評価で、火力発電からの脱却を試みています。

カーボンプライシングとは企業や団体などが排出する二酸化炭素に価格をつけ、排出量削減を促す政策を指します。韓国や中国、EUでは導入されていましたが、日本でも2026年度より排出量取引が本格稼働する予定です。

また、開発途上国に低炭素技術・製品・インフラを提供・普及することで支援しています。

個人でできる対策

地球沸騰化を防止するために、温暖化対策として私たちが個人でできることは以下のとおりです。

個人でできる対策
  • DIYで家を断熱化する
  • 省エネ家電を使う
  • フードロスを減らす
  • 節電、節水
  • ゴミの分別
  • マイバッグ、マイボトルなどの使用
  • 公共交通機関や徒歩での移動

ひとりひとりが地球に与える影響は少ないですが、世界中の人々が一丸となって行動すれば大きな効果をもたらします。

地球沸騰化が現実になりつつある意識を持ち、普段の行動から変える必要があります。

まとめ|地球沸騰化を食い止めよう

地球沸騰化とは温暖化の深刻さを強調するための言葉で、その言葉をきっかけに世界中の人が地球環境に危機感を持ちました。

国際的な枠組みであるパリ協定のもと、日本を含む各国は地球沸騰化を食い止めるためにさまざまな取り組みを行っています。

マイバッグやマイボトルを活用したり、節電・節水を心がけるなど、家庭でできる対策もあります。

温暖化の進行を防止して後の世代に美しい地球を残すためにも、個人でもできるところから対応しましょう。

監修
アスグリ編集部
アスグリ編集部
株式会社GRITZ
運営元である株式会社GRITZは、野立て太陽光発電所を土地取得-開発-販売まで自社で行っています。自然環境に影響が出ないように、耕作されていない農地(休耕地)に野立て建設しています。自然エネルギーの普及は、脱炭素社会を目指すうえでは欠かせません。当社のビジネスを通じて、カーボンニュートラルな地球に貢献することをミッションとしています。
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