畑の雑草対策7選! 効果的な手法や注意したいポイントを解説

「効果的な畑の雑草対策を知りたい」
「夏の暑い中、もう草刈りはしたくない」
お持ちの畑における、毎年の草刈りにうんざりしている方も多いのではないでしょうか。
とくに、雑草の成長が早い夏場は、厳しい環境の中で草刈りをしなければなりません。最悪の場合、熱中症になる恐れもあります。
本記事では、畑の効率的な雑草対策を7つ紹介します。畑に雑草を生えさせない事前対策から、効率よく除草する方法まで紹介しているので、ご自身の畑の状況に適した雑草対策を見つけてください。
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畑に雑草を生えさせない|事前対策4選
畑に雑草を生えさせないための事前対策を4つ紹介します。
- 雑草が発生しにくい土をつくる
- 防草シートを張る
- マルチを張る
- 被覆作物を植える
1. 雑草が発生しにくい土をつくる
土壌改良資材や排水設備を活用することで、雑草が発生しにくい環境をつくれます。実現まで時間がかかりますが、土づくりによって雑草が生えにくい土壌をつくることができれば、除草にかかる手間を低減できます。
たとえば、スギナは土壌のpHに関係なく排水性の悪い環境で繁茂する植物です。よって、畑にパーライトや木炭などの排水性を改善する資材を施用したり、明渠や暗渠を作ったりすることで発生を抑えられます。
また、ヒユ科やイネ科の雑草は窒素が多い土壌を好みます。土壌の窒素濃度が高くなりすぎないよう、硫安や石灰窒素などの窒素を含む肥料の施用は、適正量にとどめましょう。
pHを調整する際は、苦土石灰や硫黄華の施用が有効です。
このように、土壌のpHや排水性などの土質を確認することで、雑草が生えにくい畑となります。
2. 防草シートを張る

畑に防草シートを張ることで光を遮断し、雑草の発生を抑制できます。
防草シートとは、雑草の発生を抑制するために用いられる厚手のシートです。シートを敷設する必要がありますが、その後は破損しなければ管理の手間はかかりません。
一般的に防草シートの耐用年数は5~10年ほどと長く、草刈りのように定期的に実施しなければならない作業もないため、比較的楽に雑草の発生を抑制できます。
管理の手間がかからないうえ、雑草の成長に必要な光を遮断できる効果の高い方法です。
3. マルチを張る

畑にマルチを張ることで光を遮断でき、雑草の発生を抑制できます。
マルチとは、地温の調整や乾草の防止を目的とした、ビニールまたはポリエチレン製の農業資材です。防草シートと同様に太陽光を遮断できる製品もあるため、雑草の発生も抑制できます。
紙や生分解性プラスチックで作られた製品を選ぶと、使用後は畑にそのまますき込めるため、後処理が楽です。
注意点として、マルチの中にも雑草対策にならない製品があります。雑草の発生を抑制するためには、黒マルチや白黒マルチが有効です。
誤って透明マルチを張ると、太陽光を遮れないだけでなく、マルチ内の気温や湿度が上昇して雑草が発生しやすい環境となります。
4. 被覆作物を植える
クローバーやコスモスなどの被覆作物(グランドカバー)を畑に植えることで、雑草の発生を抑制できます。花が畑を被覆するため、同時に農作物を育てることはできませんが、休耕畑には有効です。
被覆作物の種類によっては、地力の向上や土壌の流出防止に役立つものもあります。たとえば、窒素固定の効果を持つマメ科植物を被覆作物として活用すれば、肥料の代替とすることが可能です。
ただし、植物を育てるため、定着するまでは管理が必要な場合があります。
畑に生えた雑草対策|事後対策3選

すでに畑に生えた雑草を処理するための方法を3つ紹介します。
- 除草剤を撒く
- 草刈りをする
- 耕運機で雑草ごと耕す
1. 除草剤を撒く
畑に除草剤を撒くことで、すでに成長した雑草を除草できます。選択性の除草剤を使用すれば、畑で栽培する農作物には影響を与えず、雑草だけ枯らすことが可能です。
畑で除草剤を使用する場合、農薬登録のある除草剤を使用する必要があります。除草剤には、農薬登録のある除草剤と、農薬登録されていない除草剤があります。農薬登録されていない除草剤は、畑に使用することはできません。
農薬登録のある除草剤には、容器や包装に『農林水産省登録第〇〇〇〇〇号』との記載があります。畑で使用する場合は、必ず農薬登録のある除草剤を使用しましょう。
参考:農林水産省「除草剤の販売・使用について」
ただし、自分の土地に害がなく、農薬登録されている除草剤であっても、周囲の農地に悪影響を及ぼす場合があります。除草剤を使用する場合は、周囲の農地で栽培している農作物に害を与えないか確認することが重要です。
2. 草刈りをする

草刈りをすることで、畑の雑草を管理できます。草刈りには刈払機や労力が必要ですが、伸びた分を確実に刈り取れるメリットがあります。
草刈りのタイミングは、6~7月・8~9月・10~12月がおすすめです。とくに夏は成長が早いため、こまめに様子を確認する必要があります。
また、雑草は根元から刈るのではなく、高刈りするのがおすすめです。高刈りをすることで、広葉雑草の成長点が残るため、高く伸びやすいイネ科の雑草の繁茂を抑制できます。
3. 耕運機で雑草ごと耕す

耕運機で畑を雑草ごと耕せば、耕運と同時に雑草を処理できます。緑肥として利用できるため、地力の向上にも有効です。
ただし、雑草に生息していた害虫が畑に残ったり、雑草が腐敗したりするリスクがあります。場合によっては悪影響を及ぼすため、畑の状況を確認してから行いましょう。
雑草だらけの休耕畑を再生させる際や、播種前に雑草を処理したい際におすすめの方法です。
畑の雑草対策をするときに注意したいポイント
畑の雑草対策をする際には、注意したいポイントが3つあります。
- 畑の状況に応じて対策を選ぶ
- 周囲の土地に悪影響を与えないようにする
- 雑草を放置せずこまめに除草する
これらの3点に注意することで、効率的な除草や周囲の土地の所有者とのトラブル防止につながります。
1. 畑の状況に応じて対策を選ぶ
畑の状況によって雑草の適切な処理方法は変わります。まずは畑の状態を確認してから、適した雑草対策を取ることが重要です。
たとえば、現在は休耕畑であっても、数年以内に農作物の栽培を再開する場合、防草シートを敷設するよりも草刈りをしたほうがよいことがあります。
防草シートは効果が高い雑草対策ですが、1,000平方メートルの場合で50~200万円と初期費用が大きいため、短期間の使用だとコスト面で不利になります。
効果を比較することも重要ですが、畑の状況や利用計画によって雑草対策を使い分けることも大切です。
2. 周囲の土地に悪影響を与えないようにする
自分の畑の雑草対策をすることで、周囲の土地に迷惑がかかる場合があります。とくに、周囲が農地の場合は注意が必要です。
たとえば、自分の畑で栽培している野菜や花きに害のない除草剤を使用したとしても、周囲の農地で栽培している農作物の生育に悪影響を及ぼす可能性があります。ドローンで除草剤を散布する場合は、風次第で広範囲に広がるリスクが高まるため、使い方には注意が必要です。
ほかにも、刈り取った雑草を放置した場合、風で周りの土地に飛散する場合もあります。腐敗を防止するために、刈り取った雑草を畑で乾燥させることもありますが、周囲の農家に迷惑がかからないようにしましょう。
3. 雑草を放置せずこまめに除草する

雑草を放置すると、一度の処理では対応できないほど伸びてしまいます。とくに、成長が早い夏はこまめな除草が必要です。
放置すると除草が大変になるだけでなく、畑の養分が失われ、農作物が育ちにくい土地になる可能性が高まります。また、雑草が繁茂すると害虫が発生するリスクも高まります。
以下は、実際にあった苦情の例です。
隣地の管理がされておらず、雑草が伸び放題になっている。暖かい時期にはムカデなど害虫の発生し、冬になると枯草火災の発生が恐れがある。町で対処してほしい。
引用:城里町「雑草・樹木の管理について」
トラブルを避けるためにも、雑草は放置せずにこまめに除草しましょう。
関連記事 雑草を放置するとどうなる?
まとめ|畑に適した雑草対策を行おう
適切な雑草対策は畑によって異なります。畑の状況や今後の予定を考慮したうえで、適切な雑草対策を実施することが重要です。
畑の雑草は、適切に対処しなければ近隣の住民に迷惑をかけてしまいます。自分では対処できない場合は、除草の専門業者に依頼するなどの対策を取りましょう。
また、畑を利用する予定がない方は、土地を売却するのもひとつの手です。
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